大谷翔平「あともうちょっと」9戦38打席ノーアーチ “スランプ”脱出に手応え

ナショナルズ戦の9回、レンドンの適時打でサヨナラの生還を果たしたエンゼルスの二走大谷=アナハイム(共同)
ナショナルズ戦でサヨナラ打を放ったレンドン(左)を手荒く祝福するエンゼルス・大谷=アナハイム(共同)
ナショナルズにサヨナラ勝ちし、マドン監督(右)とタッチを交わすエンゼルス・大谷=アナハイム(共同)
3枚

 「エンゼルス5-4ナショナルズ」(8日、アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が「3番・指名打者」でフル出場。2点を追う九回2死一、三塁の場面で2点適時二塁打を放って同点にすると、後続の中前打でサヨナラ勝利のホームを踏んだ。この日は4打数1安打2打点、1四球で打率は・235。そのバットと足で首位陥落の危機を救った。

 二塁ベース上で右こぶしを2度振り下ろし、三塁側の自軍ベンチの仲間たちに向かって絶叫した。「カモーン!」大谷の口はそう言っているように見えた。

 2点を追う九回2死一、三塁。それまで4打席無安打だった大谷のバットがついに火を噴いた。ナショナルズの抑えレイニーとの初対決。初球154キロ直球を豪快に空振りして不穏な空気が漂ったが、立て直した。内寄り低めの143キロのスプリットにバット一閃。初めて見る変化球を待っていたかのようなスイングで完璧にとらえる。時速163キロの高速打球が中堅手の左を抜けてフェンスを直撃した。起死回生。地元ファンが合唱したMVPコールにこたえてみせた。

 見せ場はこれで終わらない。続くレンドンの中前に落ちる打球に快足を飛ばす。「最後は突っ込むことだけ考えた。ツーアウトだったのでいいスタートを切ること、いいベースランニングをすること。いい打球だったので、ほぼ間違いなく帰れるかなと思っていました」。最後は右脚を懸命に伸ばして生還。そこでも右こぶしを振り下ろして感情を爆発させる。仲間たちの歓喜の輪に加わると、満面笑みを浮かべてレンドンに抱きついた。

 前戦に続いて最後の打席でヒットを打ったが、4月29日のホワイトソックス戦で4号を記録した後は9戦38打席(5安打、5四球を含む)連続ノーアーチ。本拠地では本塁打がない状態が続いているが、「ここ数試合は、感じ的には悪くない」と大谷。前日の3つの凡退は中堅から左方向への飛球で、この日も初回と五回のフライアウトはセンターから左だった。「いい感じの打球も上がっていますし、あともうちょっとかなという感じなので。少し我慢が必要かなと思います」と冷静に自己分析した。

 劇的勝利でア・リーグ西地区首位をキープ。負けていれば、この日、7連勝を飾ったアストロズにトップの座を奪われていた。マドン監督は「あきらめない姿勢が好きだ。こういう勝ち方の試合はシーズンの最後に大きな意味をもつ」と話した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

大リーグ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(大リーグ)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス