鈴木誠也 全快ランニング弾 ケガした左手伸ばしホームをタッチ「もう心配は要らない」
「ブルワーズ6-2カブス」(4日、ミルウォーキー)
左手薬指のけがによる負傷者リスト(IL)入りから復帰したカブスの鈴木誠也外野手(27)は4日(日本時間5日)、ミルウォーキーでのブルワーズ戦に「4番・右翼」でフル出場。盗塁の際に左手を負傷した5月26日のレッズ戦以来の出場で、今季5号となるプロ初のランニング本塁打を放つなど4打数2安打1打点だった。チームは延長十回、タイブレークの末に2-5でサヨナラ負けした。
もつれそうな足にむち打って、三塁を駆け抜けた。返球を受けた捕手が走路に動くと、鈴木は左腕を隠すようにしてタッチをかいくぐり、スライディングしながら再び伸ばした左手でホームを触ってランニング本塁打。「楽しみながらやろうと決めて入った一日だったので良かった」。最初は小さく、そして大きくほえた。
1-1の九回1死無走者だ。相手は昨季途中から今年6月5日まで、メジャータイ記録となる40試合連続無失点を記録したヘイダー。鈴木はたまったストレスを一気に発散するかのように、直球を打ち返した。打球は屈折した中堅フェンスに当たり、大きく転がった。ダイヤモンドを一周し「何とかアウトにならなかったので良かった」とほほ笑んだ。
5月26日のレッズ戦、鈴木は二盗を成功させた際に左手薬指を捻挫した。この日は、意外に長引いた故障からの復帰戦だった。「けがしている間はずっと悔しくて、いろいろなことを思いながら日々過ごしていた」と振り返った。
試合前、ロス監督に「戦場に行く準備はできている」と話した。「このチームでまた一戦一戦勝っていきたい、という思いで伝えた。もう心配は要らないよという意味でも」と責任感をにじませた。