大谷翔平「自分が打っていれば勝っていた」リアル二刀流で自己最悪3連敗 敗因背負う
「エンゼルス1-3アスレチックス」(3日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手(28)が「2番・投手」で出場し、投手としては5回2/3、99球、7安打3失点(自責2)、与四球1、奪三振7で7敗目。自己ワーストの3連敗で初の10勝目と1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりの「2桁勝利、2桁本塁打」は三たび、お預け。連続2桁奪三振試合も6で止まり、1977年にノーラン・ライアンが記録した球団記録の7に届かなかった。打者では3打数無安打で4戦ぶりノーヒット。右前腕の痙攣のため、七回に代打を送られた。
奮投を称える地元ファンの拍手のなか、大谷は顔を上げることなくマウンドを降りた。自己初の10勝目、104年ぶりの偉業が期待された試合。「もどかしさはもちろんあります」。3度目の正直にならなかった二刀流が素直な気持ちを言葉にした。
三回まで1安打ピッチング。5つの三振を奪い、快投を予感させた。ところが、四回に暗転。味方の失策をきっかけに1点を失った。五回に一度は追いついたが、六回にツーランを被弾。マウンド上で顔をしかめて悔しさをあらわにした。
6月以降はスライダー主体の投球で勝ち星を積み上げた。この日は99球のうちスライダーは過去最多の61球。直球を20球しか投げず、スプリットはわずかに6球。結果的に甘く入ったスライダーが敗戦につながったが、「感じも良かったですし、コマンドも良くて、決して悪くはなかった。1点を争う中で一番効果的な球を選んで投げました」と説明した。
先発投手の指標でもあるクオリティースタート(6回以上、3自責以下)には1アウト足りなかったが、試合をつくることはできた。それでも大谷は「3点取られたらなかなか勝つチャンスは今のところはないかなと思います。先制点を取られたら厳しい展開になってしまう。先制点をあげないっていうのは一番かなと思います」と言った。 悔しさは打席でもあった。両軍無得点の三回1死二、三塁の好機に三直に倒れた。「自分があそこでしっかり打っていれば勝てましたし、あそこで打てなかったのが敗因かなと思います」と、目をそらすことなく言い切った。
降板後は“大谷ルール”を利用してDHで打席に立つ予定だった。ところが、七回の打席に向けて室内ケージでスイングした時に右前腕部に違和感。「つりそうな感じ。いけそうではありましたけど、大事を取って」。代打を送られて途中交代。6月18日から続いていた連続フルイニング出場は投打同時出場6試合を含む37で止まった。
試合後、ネビン監督代行はあす4日のデーゲームで大谷を指名打者で起用する考えを明かした。ここまでチーム最多の101試合に出場している大谷は「出れる試合は出たいなと思ってますし、休める余裕もないですし」と、今後もチームのためにフル回転の出場に強い気持ちを見せた。