大谷翔平 目標の「米国野球殿堂入り」にまた一歩近づく104年ぶりの偉業達成
エンゼルス・大谷翔平投手(28)が歴史の扉をこじ開けた。日本時間10日のアスレチックス戦でメジャー移籍後初の10勝目を挙げ、1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶり2人目の「2桁勝利&2桁本塁打」を成し遂げた。デイリースポーツMLB担当の小林信行記者が、大谷の歴史的偉業、メジャーでの5年間を今年の球宴会見での言葉を元に振り返る。
◇ ◇ ◇ 2年連続で選ばれたオールスター戦。本番前日の会見で「米国野球殿堂入り」ついて問われた大谷は、日本時代から意識していたことを明かした。「そのためというか、それも一つの目標だったので、やっぱり早めに(メジャーに)行きたいと思った。ある程度、年齢が低い中でプレーして、自分のレベルを上げていきたいと思ったので、早くこっちに来るという選択になったかなと思います」
そうやったんや…。
大谷が海を渡ったのは5年前、23歳の時だ。ポスティングシステムを利用しての移籍。「25歳未満の選手はマイナー契約しか結べない」のルールが物議を醸した。「奴隷契約。今、行くのは得策ではない」「2年待てば、2億ドル(約270億円)の契約をもらえるのに」…。否定的意見が多く出た。
自分の意思で選んだエンゼルスで大谷は1年目に新人王を、4年目の昨季は満票でMVPを獲得した。「SHO-TIME」、「ユニコーン」の愛称で親しまれ、今では「メジャーの顔」とまで呼ばれる存在になった。
今月2日のトレード期限の前には移籍報道が過熱。大谷の引き留めや獲得には1年平均4000万ドル(約54億円)以上、総額4億ドル(約540億円)以上の契約を予想するメディアもあった。
二刀流を貫き、満身創痍(そうい)で達成したこの日の歴史的偉業に感動した。本当にけがに強い選手になったと感心する。伸び盛りの28歳。殿堂入り候補の条件はメジャー在籍10年だ。折り返し地点。日本で掲げた目標に、確実に近づいている。