エンゼルス・大谷 勝利&本塁打のW2桁 ついに達成!ルース以来104年ぶり偉業
「アスレチックス1-5エンゼルス」(9日、オークランド)
エンゼルスの大谷翔平投手(28)が9日(日本時間10日)、敵地・オークランドでのアスレチックス戦に「2番・投手兼指名打者」で出場し、6回4安打無失点の好投でメジャー移籍後初の10勝目を挙げ、1918年のベーブ・ルース以来2人目となる、104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」の偉業を達成した。七回にはイチローを超えて日本選手歴代2位となるメジャー通算118号の25号ソロを放つなど、投打で記念日を彩った。
ルース以降、挑戦者さえほとんど現れなかった投打「二刀流」で、大谷がメジャー史の新たな章にたどり着いた。昨年逃した勝ち星と本塁打の「ダブル2桁」に到達し、「いい流れでいけたと思う。こういう試合を多くできたらいい」と充実した表情だった。
投打で究極のプレーを発揮した。3日に続く対決となったアスレチックス打線に、前回多投したスライダーの割合を62%から40%に減らし、スプリットとカーブを増やして目先をずらした。
偉業達成目前で3連敗と足踏みしていたが、4度目の挑戦で歴史の扉をこじ開けた。前回3失点を喫した相手を6回4安打無失点とし「これから先も同地区で当たる。配球の管理をしながらやりたい」と頼もしかった。今季の投球回数を111とし、規定投球回にも到達した。
三回先頭のブライドを空振り三振に仕留め、日米通算1000奪三振を達成。2死一、二塁のピンチでは、ラウレアーノのライナー性の打球が左足を直撃。痛みをこらえた素早い反応で投ゴロとしたが、味方選手に肩を借りて戻ったベンチでは、何度も顔をしかめていた。それでも、投球では前に踏み出し、打撃では体重を乗せる軸足へのアクシデントも、不屈の精神で乗り越えた。
七回、左投手のスライダーを強引に引っ張り、右翼席へライナーで突き刺す通算118号のソロ本塁打。尊敬するイチローを超える今季25号弾で、日本選手歴代単独2位に浮上した。多くのけがを克服し、屈強な体を作り上げた大谷は「試合中は集中していたので(痛みは)気にならなかった」と涼しげだった。
9勝、46本塁打をマークした昨季のオフ、大谷はルースを「選手として目指すべきもの」と位置づけ、自身の二刀流も「もっと高くいける」と宣言していた。有言実行で現代のメジャーでは誰も知らない高みに上り詰めた。