イチロー氏がマリナーズ殿堂入り式典「ワッツアップ、シアトル!」感動と爆笑スピーチ
通算3089安打を放ち、数多くのメジャー記録を打ち立てたイチローさん(48、マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が27日(日本時間28日)、本拠地T-モバイルパークで行われたマリナーズの殿堂入りを祝う式典に出席した。
紺のスーツに白と藍色のストライプのネクタイ姿で一塁ベンチからさっそうと登場し、満員のスタンドに向かって手を上げたイチローさん。スピーチでは開口一番、「ワッツアップ、シアトル!(よお、シアトル!)」と、スラングで地元ファンに呼び掛けて盛り上げると、「22年前にシアトル・マリナーズの一員になり、私の人生は変わりました」などと回想し、「現役を引退しても野球とシアトルはずっと心の中にあります」。元マリナーズ筆頭オーナーの故山内・任天堂会長や、弓子夫人、ターナー通訳ら、自身をサポートしてくれた人々の名を挙げて感謝の気持ちを伝えた。
スタンドを埋めたファンには、6年ぶりに古巣に戻った18年の試合で受けた歓迎を「私の野球人生で最高の思い出の一つ」と表現。「21年前の初めての試合で新人だった私に対する大きな声援は決してやむことはありませんでした」と話すと、本拠地にイチローコールが響き渡った。
現役時代からそのパフォーマンスで見る者の心を揺さぶり、抜群のユーモアセンスで楽しませてきた同氏。エンターテイナーぶりはこの日も健在で、スピーチでは数々のエピソードを披露。01年4月のメジャーデビュー戦で勝利した後、当時の監督だったピネラ氏が自身のほおにキスしてきたことを明かし、「監督が僕にべちょべちょのキスをしてきたのです。日本ではありえないことだったので衝撃を受けました。正直、彼を恐れました」と言って、大爆笑を誘った。
この日の式典には、日本時代から憧れの存在だったグリフィーJr.氏、E・マルティネス氏、モイヤー氏、ウィルソン氏ら球団の殿堂入り選手のほか、キャメロン氏や長谷川氏ら元チームメートも出席。最後はグリフィーJr.氏から胸に球団ロゴが入ったジャケットを着せされると、大きな歓声と拍手が起こった。