大谷翔平、日本選手初の偉業 ヤンキース撃破の30号逆転弾を自賛「すごくいいホームラン」
「エンゼルス3-2ヤンキース」(31日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手(28)が「3番・指名打者」で出場し、六回に30号逆転3ランを放った。昨季の46本塁打に続く、2年連続30本塁打は日本選手初の偉業となった。4打数1安打3打点で4戦連続安打。チームは最少リードを守り切り、同カードを2勝1敗で勝ち越した。
狙い澄ました一振りだった。敵軍の拙守でつかんだ六回1死一、二塁の好機。ツーボールからの3球目、エース右腕コールが投じたド真ん中の156キロ直球を大谷は逃さなかった。
「チャンスだったのでどんどんストライクにきたら振ろうと思って」。
過去の対戦打率・158は、ただの数字でしかなかった。快音とともにはじかれた打球がセンターへ伸びる。飛距離130メートルの豪快弾。右手でガッツポーズをつくり、雄たけびを上げた。「いい結果になったのですごくいいホームランだったと思います」。試合後のベンチ前で行われたヒーローインタビューで大谷が会心の笑みを見せた。
値千金の逆転3ラン。地元中継局の放送ブースでは日本語が飛び交った。実況のバスガーシアン氏が「オハヨウゴザイマス、ニューヨーク!」と叫べば、解説のグビザ氏も「スゴーイ!ショウヘイ!」と呼応。歓喜に沸くベンチで祝福を受けて笑顔の大谷の姿を映し出されると、バスガーシアン氏が「キュンデス!ショウヘイ・オオタニ!」と興奮した声で伝えた。
勝利の立役者は仲間を称えることも忘れなかった。この日は先発サンドバルが7回3安打2失点の好投。2点を失った五回以外は1安打ピッチングで味方の援護を待った。「攻撃にいいリズムをくれるピッチングだったなと思うので、今日のサンディ(サンドバルの愛称)は素晴らしい活躍だったなと思います」。大谷が称賛の言葉を送った。
MVP争いで大谷との一騎打ちが予想されているヤンキースの主砲ジャッジは前日の試合で2戦連発となる51号を放ち、存在感を示した。一方の大谷は2日前の29号勝ち越し2ランに続いて逆転3ラン。松井秀喜でさえ成し得なかった日本選手初の偉業を達成した。
エンゼルスは、大谷のバットが生み出した1点のリードを2人の継投で守り切った。3番手ハーゲットが九回無死一、二塁のピンチを切り抜けると、ベンチから見守った大谷は手を叩き、歓喜の声を上げた。6月の敵地ニューヨークでは3連敗の屈辱を味わった強敵に本拠地で勝ち越し、意地を見せた。「素晴らしいチームなので、どの試合も接戦でいいゲームだったと思います」。やっぱり大谷には勝利が似合う。