大谷伝説止まらない!メジャー初10勝&30発達成 MVP争い「モチベーションに」

 「エンゼルス3-2ヤンキース」(31日、アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が六回に逆転の中越え30号3ランを放ち、メジャーの日本選手で初めて2年連続30本塁打を達成した。今季は投手で自己最多の11勝を挙げており、メジャーで「10勝、30本塁打」は史上初となった。ア・リーグMVPに輝いた昨季は46本塁打を放ち、松井秀喜がヤンキース時代の2004年に記録した日本選手最多の31本を大幅に更新。2年連続で大台を突破した。

 狙い澄ました一振りだった。0-2で迎えた六回。相手の拙守でつかんだ1死一、二塁の好機。2ボールからの3球目、コールが投じた真ん中の158キロ直球を大谷は逃さなかった。快音とともにはじかれた打球が中堅へ伸びる。飛距離130メートルの逆転3ラン。右手でガッツポーズをつくり、雄たけびを上げた。

 メジャー屈指の剛腕には過去17打数3安打と苦しめられてきた。一回の大飛球はフェンス手前で中堅手に好捕され、「何とかチャンスがあったらもう一回打ちたい」と雪辱を誓った打席。これまでの対戦成績がただの数字でしかなかったことを、一振りで証明した。

 松井秀喜でさえ成し得なかった、日本選手では初の2年連続30本塁打到達。2桁勝利を挙げた投手が30号を記録するのはメジャー史上初の偉業となり、「単純にうれしい。ここまで安定してしっかり出続けられているのもいいところかなと思う」と、言葉に実感を込めた。

 自己最多の46発を放った昨季は81試合目で30本に達した。今季は131試合目で「ペース的には昨年ほどではない」というものの「内容は最近もいい」と手応えがある。打球の初速と角度の理想的な組み合わせで長打が生まれやすい「バレル」と呼ばれるゾーン内の打球数では、昨季に続いてメジャーでトップ5を維持。今季は「飛ばないボール」と言われる中でアーチを積み上げる。

 一騎打ちと目されるヤンキースの主砲、ジャッジとのア・リーグMVP争い。前日の試合で2戦連発となる51号を放って存在感を示したライバルに、負けじと豪快弾を見せつけた。「(MVP争いは)もちろんモチベーションになっている。勝ちを意識して頑張っていれば、おのずと数字はついてくる」。残り31試合。これまで通り、投打で全力を尽くす。

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