大谷翔平、2HR猛打ショーで通算500安打 三振奪った野手の笑顔が存在感の大きさ示す
「エンゼルス10-0タイガース」(5日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手(28)が「3番・指名打者」で出場し、31、32号を含む5打数3安打3打点、3得点。球団記録に並ぶシーズン6度目の1試合2本塁打をマークするなど、今季12度目の猛打賞で打率を・270とした。自身3年ぶりとなる30号を放ったトラウトとともにチームの勝利に貢献した。
パワー全開。前日の完全休養で体力を回復させた大谷がド迫力の猛打ショーで本拠地を熱狂させた。
まずは初回の打席で左腕アレクサンダーの出鼻をくじいた。1死一塁、カウント1-2と追い込まれながら外角スライダーを右翼線二塁打にして好機を拡大。先制点をお膳立てした。
三回1死二塁の場面では、初球、ド真ん中の145キロ直球にバット一閃。打球角度19度の低空弾が右翼フェンスに記された黄色のラインを越えた。3戦ぶりの31号2ランでスタンドをどよめかせた。
大谷がバットはさらに加速する。7点リードの七回は先頭で3番手右腕ヒルの初球、甘く入ったスライダーを叩き潰した。打球角度31度。1本目とは一転、大きな放物線を描いた“ムーンショット”が左中間フェンスをゆっくりと越える。飛距離127メートルのアーチで通算500安打を飾り、虎の息の根を完全に止めた。
3安打3打点3得点の活躍。8月28日のブルージェイズ戦以来、6戦ぶり12度目の猛打賞を獲得し、シーズン6度目の1試合2発で2000年にグラウスがマークした球団記録に並んだ。この日はトラウトも30号ソロ。今季7度目の“トラウタニ弾”でチームを勝利に導いた。
2年連続が期待されるMVP争いは、最大のライバル、ヤンキースのジャッジがツインズ戦で3戦連発となる54号。重圧をかけられた大谷だったが、負けじと2本塁打を含む今季4度目の1試合3長打。争いをさらに激化させた。
9点リードの八回の打席では野手クレメンスに見逃し三振を喫した。通算354勝、サイ・ヤング賞7回の大投手ロジャー・クレメンスを父にもつ26歳はマウンド上でガッツポーズ。アウトにしたボールは記念球としてキープした。
クレメンスが見せた野球少年のような無邪気な笑顔。今の大リーグにおける大谷の存在の大きさを如実に物語っている。