Rソックス依願退団した沢村拓一の今 直球最速158キロ スライダー進化 課題は四球

 レッドソックスに自由契約を要求してFAになった沢村拓一投手(34)の動向が注目されている。

 沢村は20年オフにロッテから海外FA権を行使して、レッドソックスと2年契約で合意。1年目の昨季は55登板、5勝1敗、10ホールド、防御率3・06。53回を投げて61奪三振を記録した。今季は49試合、1勝1敗、3ホールド、防御率3・73。7月下旬まで防御率2点台をキープしていたが、8月29日にメジャー40人枠から外された。ウェーバー公示期間に他球団が獲得意思を見せなかったため、傘下3Aウースターに降格した。

 今季の投球データを見ると、フォーシームの平均球速は前年とほぼ同じの96マイル(154キロ)。5月と8月には98マイル(158キロ)を計測している。変化球は宝刀スプリットの平均速度が前年の91・6マイル(147キロ)から92マイル(148キロ)にアップし、被打率も・202→・192に。スライダーは際立っており、・267から・136に大きく改善されている。

 気掛かりな点は空振り率が直球、変化球ともに昨季より8~10%下がっていることと、与四球率(9回あたりの四球数)の高さだろう。特に後者は昨季の5・4から4・8に減っているが、依然としてメジャー全体ではワーストの部類に入っている。

 選手の契約内容に関する情報を提供している米サイトによると、沢村は2年契約で300万ドル(約4億3000万円)が保証されている。年俸は1、2年目ともに120万ドル(約1億7000万円)。3年目の2023年は双方に選択権があり、球団が行使する場合は年俸300万ドル(約4億3000万円)、選手が行使する場合は60万ドル(約8580万円)で双方が行使しなかった場合はバイアウトで60万ドル(同)が選手に支払われる。

 契約には登板数に応じた出来高がついており、1シーズン35登板以降、40、45、50、60登板ごとに5万ドル(約710万円)が支払われる。昨季と今季の登板数から現時点で沢村の出来高は35万ドル(約5000万円)になる。

 バイアウトの金額もシーズンの登板数によって変動する。35登板から50登板まで5登板ごとに10万ドル(約1430万円)が加算される。昨季は満額をクリアしたが、今季は1試合足りないため、現時点でバイアウトの額は120万ドル(約1億7200万円)になる見込みだ。

 また、契約の一つの条項に今年8月29日までにDFA(メジャー40人枠から外す手続き)になれば、同31日に3Aに配属されるとある。沢村が先月末に突然、マイナー降格となったのは同条項によるものとみられる。

 沢村は佐野日大-中央大をへて2010年ドラフト1位で巨人に入団。20年9月にトレードでロッテに移籍した。NPB9年の通算成績は352試合(先発91試合)、48勝52敗75セーブ、64ホールド、防御率2・77。メジャー通算成績は104試合、6勝2敗、13ホールド、防御率3・39。

 他球団でプレーする機会を求めてレッドソックスに自由契約を要求した沢村。来年4月で35歳を迎えるが、今季のピッチングを見る限り、衰えは全く感じられない。シーズン残り3週間。新天地はどこになるのか。

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