大谷翔平、最終戦で史上初のW規定到達 投手主要部門で殿堂入りジョンソンに並ぶ快挙
「アスレチックス3-2エンゼルス」(5日、オークランド)
エンゼルスの大谷翔平投手(28)が最終戦に「3番・投手兼指名打者」で出場し、投手として5回1安打1失点で9敗目を喫した。打線の援護がなく、16勝目はならなかったが、年間投球回数を166とし、メジャー5年目で初めて規定投球回の162に到達した。すでに打者では昨季に続いて規定打席をクリアしており、球団によると、ワールドシリーズが始まった1903年以降の現行のメジャーでは投打同時の規定達成は初の偉業となる。
規定投球回まで1イニングとしていた大谷は初回のマウンドを3人で片付け、年間規定投球回に到達。前夜の試合で右上腕部に死球を受け、後遺症が心配されたが、五回1死まで三者連続三振を含む5奪三振でパーフェクトゲームを継続した。
五回1死から四球でこの日初めての走者を出すと、思わず、天を仰いで悔しがった。続く6番ピンダーにはカウント1-2と追い込みながら内寄り138キロスライダーを左翼線二塁打にされ、二、三塁に。ケイペルに初球カーブを中犠飛にされ、1点を失った。
失点した直後にベンチからネビン監督とトレーナーがベンチから飛び出して大谷の状態を確認。その後も続投し、5回を投げ切ったところでお役御免。69球で5年目のマウンドを締めた。その後は“大谷ルール”を利用し、指名打者として打席に立ち続け、八回の打席を終えた時点で4打数1安打とした。
米メディアも大谷の偉業を称えた。大リーグ公式サイトは「オオタニがまた歴史をつくる」との見出しでこの日の登板を詳報した。
今季のダブル規定到達で投手としても主要部門でリーグ上位に名を連ねた。試合前の時点で投手として奪三振率11・91は同1位、奪三振数213は同3位、15勝と防御率2・35が同4位。打者として34本塁打はリーグ4位、95打点と90得点は同7位、長打率・686と長打数70は同3位、OPS・877と塁打数303は同5位。
また、エンゼルス広報部のバーチ氏は大谷が降板直後に自身のツイッターを更新。今季の大谷が投手として防御率2・33、WHIP(1イニングあたりの被安打数+四球数)1・01、奪三振率11・9をマークし、これら3部門で好成績を残したのは、サイ・ヤング賞5回の殿堂入り投手、ランディ・ジョンソン(1997年、防御率2・28、WHIP1・05、奪三振率12・3)しかいないと伝えた。