アストロズ 5年ぶり2度目ワールドシリーズ制覇 17年サイン盗み王者の汚名返上

 6回、逆転3ランを放つアルバレス
フィリーズ戦の6回、逆転3ランを放ち迎えられるアストロズのアルバレス(中央)=ヒューストン(共同)
 6回、逆転3ランを放ちブレグマン(左)に迎えられるアルバレス(共同)
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 「ワールドシリーズ・第6戦、アストロズ4-1フィリーズ」(5日、ヒューストン)

 アストロズ(ア・リーグ第1シード)が逆転勝ちで4勝2敗とし、5年ぶり2度目のワールドチャンピオンに輝いた。ナ・リーグ覇者のフィリーズは今季から新設されたワイルドカード3枚目、第6シードから下剋上で勝ち上がったが、14年ぶりの覇権奪回はならなかった。シリーズMVPにはリーグ優勝決定シリーズに続き、新人遊撃手のペーニャが選出された。

 五回まで両軍無得点の投手戦。均衡を破ったのはフィリーズだった。先頭シュワバーがカウント2-2からバルデスの決め球154キロシンカーを右翼席へ6号ソロ。120メートル弾でチームに先制点をもたらした。

 しかし、その裏の攻撃で超満員4万2958人が詰まったアストロズの本拠地が熱狂する。五回まで2安打無得点に封じられてたウィーラーを攻め立て1死一、三塁と好機を迎えると、3番アルバレスが代わったばかりのアルバラドの159キロ直球を完璧にとらえる。センターバックスクリーンを超える飛距離137メートルの特大逆転3ラン。バスケスの適時打で3点をリードした。先発バルデスが6回2安打1失点、9奪三振と好投。七回以降を3人の継投でハーパーら強力打線を封じた。

 アストロズは17年に球団創設初となるシリーズ制覇。しかし、米大リーグ機構が調査の結果、17年のシーズンにセンターカメラを使ったサイン盗みの事実が判明。20年1月に当時のヒンチ監督とルノーGMの1年間の職務停止処分と史上最高額となる500万ドル(当時5億5000万円)の罰金、さらには20、21年のドラフト1、2位指名権のはく奪という厳罰が課せられた。その発表を受けて同監督と同GMは解任。当時も主力だったアルトゥーベやブレグマンらは今なお、敵地でも打席に立つたびにブーイングを浴びている。

 18年から指揮を執る73歳のベイカー監督の下、クリーンに戦い、レギュラーシーズンでア・リーグ最多の106勝を挙げたアストロズ。サイン盗みの事実を消すことはできないが、2年連続、直近6シーズンで4度のワールドシリーズ進出で最強チームであることを証明し、汚名返上のシーズンになったことは間違いない。

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