アストロズ 5年ぶり2度目V 73歳ベーカー監督がワールドシリーズ初頂点
「ワールドシリーズ・第6戦、アストロズ4-1フィリーズ」(5日、ヒューストン)
第6戦が行われ、アストロズ(ア・リーグ)がフィリーズ(ナ・リーグ)を4-1で下して4勝2敗とし、2017年以来5年ぶり2度目の頂点に立った。ワイルドカードから勝ち上がったフィリーズは14年ぶり3度目の頂点を逃した。打率・400、1本塁打、3打点と活躍したアストロズの新人ペーニャがシリーズ最優秀選手(MVP)に選ばれた。アストロズは0-1の六回に主砲アルバレスの3ランなどで4点を奪って逆転した。先発左腕のバルデスが6回1失点と好投し、七回からは3投手の継投で逃げ切った。
3点リードの終盤、アストロズのベーカー監督は「ずっとアウトを数えていた」という。九回、最後の打球を右翼手が捕球すると、コーチ陣にもみくちゃにされながら白い歯を見せた。監督歴は25年、米国の四大スポーツで最年長となる73歳で初の頂点に立った。
ベーカー監督にとってワールドシリーズの第6戦は「ずっと鬼門だった」。ジャイアンツの監督で初めて挑んだ2002年は王手をかけながら敗れ、第7戦も連敗。アストロズを率いた昨季はブレーブスに屈した。今回は六回に1点を先制されたが、直後にアルバレスが逆転3ラン。三度目の正直で栄冠をつかんだ。
アストロズは初制覇した17年シーズンに不正なサイン盗みを行っていたことが19年に発覚。監督らが解任された。疑惑の優勝を払拭(ふっしょく)するため、20年から名将ベーカー氏に再興が託された。敵地でのブーイングも「選手はモチベーションにした」と語り、孫ほど年の離れた選手と常勝チームを築き上げた。
幼少期から母親に「黒人として成功するには2倍努力しないといけない」と言われ続けてきた。5月に黒人監督として初めて通算2000勝に到達したシーズンを、最高の形で締めくくった。