大谷翔平に1位票を入れた理由 米記者「今年と同じことをすれば、毎年受賞すべき」
米大リーグのMVPが17日(日本時間18日)、発表され、ア・リーグはヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)が初めて選出された。昨季は満票受賞だったエンゼルスの大谷翔平投手(28)はジャッジと130ポイント差の次点。2年連続の偉業はならなかったが、日本選手初の2年連続トップ2入りを果たした。ナ・リーグはカージナルスのポール・ゴールドシュミット内野手(35)が初めて獲得した。
一騎打ちが予想されたア・リーグのMVPレース。ジャッジが記者30人のうち28人から1位票を、2人から2位票を集めて420ポイントを獲得し、大谷に130ポイント差をつける結果となった。一方の大谷は1位票が2人、2位票が28人。2人で1位票と2位票を分け合う珍しい結果となった。
全米野球記者協会(BBWAA)の発表によると、大谷に1位票を投じた2人はいずれもエンゼルスの本拠地ロサンゼルスの記者だ。2人そろって担当球団の選手を推したことでSNS上に議論が巻き起こしたが、そのうちの1人、スポーツサイト「アスレチック」のブラム記者はこの日、「なぜ私がア・リーグMVP投票でショウヘイ・オオタニに入れたか」との見出しで長文記事を掲載。投打で秀でた二刀流選手と、圧倒的な打撃で本塁打を量産したスラッガーを比較するための物差しがないことを指摘しながら、大谷が投打の各カテゴリーでリーグ上位の成績を残したことを「彼は史上最高のシーズンを送った」と絶賛した。
メジャー唯一の「二刀流選手」であることを踏まえ、「毎年受賞することになるから、今回は受賞すべきではないと考える人がいる。もし彼が毎年、今年と同じことをするならば、彼は毎回受賞すべきだ。単純なことだ」とも記した。
大谷は5年目の今季、投打同時出場28試合を含む157試合に出場し、投手としてリーグ4位の15勝&防御率2・33、同3位の219奪三振、同1位の奪三振率11・9をマーク。打者で同4位の34本塁打、同7位95打点などをマークするとともにメジャー史上初めて同一シーズンに10勝&30本塁打を達成し、2リーグ制となった1901年以降では初めて規定投球回数と規定打席数を同時にクリアする快挙を成し遂げた。
一方のジャッジはア・リーグ記録を61年ぶりに塗り替える62本塁打を放ち、131打点で2冠を獲得。打率・311はリーグ2位でメジャー10年ぶりの3冠を逃したが、133得点、出塁率・425、長打率・686、OPS1・111、391塁打はいずれもメジャー1位の成績だった。
同賞の評価として使用される、チームへの貢献度を数値化したWAR(Baseballreference版)はジャッジが10・6、大谷が9・6(投手6・2、打者3・4)だった。
MVPは各リーグ、全米野球記者協会(BBWAA)の会員30人が10名連記で投票。1位14点、2位9点、3位8点、4位7点、…、10位1点の合計で決定される。
◆MVP投票上位5人
ア・リーグ
1)アーロン・ジャッジ(ヤンキース)410ポイント
2)大谷翔平(エンゼルス)280ポイント
3)ヨルダン・アルバレス(アストロズ)232ポイント
4)ホセ・ラミレス(ガーディアンズ)186ポイント
5)ホセ・アルトゥーベ(アストロズ)142ポイント
ナ・リーグ
1)ポール・ゴールドシュミット(カージナルス)380ポイント
2)マニー・マチャド(パドレス)291ポイント
3)ノーラン・アレナド(カージナルス)232ポイント
4)フレディ・フリーマン(ドジャース)220ポイント
5)ムーキー・ベッツ(ドジャース)154ポイント