ドジャース、性的暴行疑惑のバウアーを戦力外 年俸30億円負担 右腕「決定に失望」
米大リーグ、ドジャースは6日(日本時間7日)、ドメスティックバイオレンス(DV)などの規定に違反し、194試合の出場停止処分を受けたトレバー・バウアー投手(31)をメジャー40人枠から外し、事実上の戦力外を通告した。
同投手はレッズ時代の20年にサイ・ヤング(最優秀投手)賞を受賞し、同年オフにドジャースと3年1億200万ドル(約134億5000万円)の契約で合意。しかし、契約1年目の21年シーズン開幕後に女性から性交渉の際に首を絞められるなどの暴力を受けたと訴えられ、MLBから休職勧告が出され、制限リスト入り。昨年4月にMLBから2シーズン分に相当する324試合の出場停止と処分期間中の無給を発表されたが、MLBと同選手会が選出した仲裁人が再調査した結果、出場停止試合数は194に軽減されたため、今季開幕からの復帰が決まっていた。ドジャースは同投手を自由契約にするか、メジャー枠に入れるのかを決定するために14日間の猶予が与えられていた。
ドジャースの発表を受け、バウアーはSNS上で声明を発表。処分軽減が決まった昨年12月22日以降、2週間にわたって自身の代理人と球団幹部らと戦列復帰に関する話し合いがあったこと、さらに「昨日はアリゾナでドジャースの首脳陣の方々と会い、今季はチームのために復帰して投げてほしいと伝えられました」と明かし、「きょうの球団の決定には失望していますが、ドジャースのクラブハウスから受けた多大なサポートには感謝しています」と複雑な胸中を吐露。「選手たちの幸運を祈るとともに他の場所で対戦できることを楽しみにしています」と結んだ。
バウアーは11年ドラフト1巡目、全体3位でダイヤモンドバックス入りし、翌年6月にメジャーデビュー。13年から19年途中までガーディアンズに所属するなど、メジャー10年の通算成績は83勝69敗、防御率3・79。今季の年俸は3200万ドル(約42億2000万円)だが、米メディアによると、無給の対象となる50試合分の給料を差し引いた2250万ドル(約29億7000万円)はドジャースが負担するという。
他球団はバウアーと最低保証年俸の72万ドル(約9500万円)で契約を結ぶことができるが、MLBから処分を受け、社会的批判にさらされた右腕の去就に注目が集まる。