藤浪、1年勝負でアスレチックス入団 今季終了後にFA権 大谷と10年ぶり夢対決も
阪神からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた藤浪晋太郎投手(28)がアスレチックスと1年契約で合意したことが11日、分かった。契約は1年保証で今季終了後にFA権を取得する。米球界関係者が明かした。
日本時間15日午前7時の交渉期限が迫る中、藤浪の新天地がアスレチックスに決まった。チームは映画「マネーボール」の題材になるなど、緊縮財政のスモールマーケット球団として知られており、21年以降、年俸が高騰するエース格を次々と放出し、先発陣は人材難で厳しい状況にある。今季ローテーションは昨季9勝で実質3年目の左腕・アービンと、同7勝のブラックバーンが確定。今オフに1年300万ドル(約4億円)で獲得した韓国リーグ4年53勝のルチンスキーが3番手として期待されているが、4番手以降の枠は空いている。
藤浪はメジャーではダイヤモンドバックスなどからリリーフとしても評価されていたが、先発投手に強いこだわりを持っており、先発陣を必要とするアスレチックスと狙いが合致。2月中旬から始まるキャンプではカプリーリアンやマルティネスら、若手有望株や実績のない投手とローテーションの枠を争うことが予想される。
米球界関係者によると、契約は1年限りで球団の保有権や2年目のオプションはなく、同投手は今季終了後にFAになるという。1年勝負でローテーションピッチャーとしての地位を確立し、来季以降の大型契約につなげるのが狙いのようだ。
アスレチックスと同じア・リーグ西地区のエンゼルスには投打の柱、大谷が所属。両軍は開幕カード3連戦を皮切りに今季は13試合の対戦が組まれており、藤浪が心待ちにしている「打者・大谷」との対決が13年5月26日の日本ハム戦以来、10年ぶりに実現する可能性は十分にある。
長期契約を結んでも成績次第ではトレードや自由契約などがある厳しい世界。メジャー界では「ローリスク・ハイリターン」と形容されている未完の大器が新たな道を突き進む。