エンゼルスのモレノオーナー「球団最高総年俸を約束」に透ける大谷へ誠意のラブコール

 大谷翔平投手(28)が所属するエンゼルスのアート・モレノオーナーが23日(日本時間24日)、昨年8月から検討していた球団売却を取りやめ、今季以降も所有を継続すると発表した。

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 身売り検討の公表からわずか5カ月。複数の候補者が名を連ね、順調に進んでいたかと思われた売買交渉が早々に打ち切られた。球団を通して出された、モレノ球団オーナーの声明文で、特筆すべきは「このオフに球団最高記録となる総年俸を約束します」の文言だ。

 記憶に新しい21年オフの労使交渉における球団オーナー陣によるロックアウト。大きな争点の一つ、ぜいたく税の課税対象となる総年俸の基準額引き上げに最後まで反対した4人のうちの1人が同オーナーと言われている。そういったことなどもあり『吝嗇(りんしょく)家』のレッテルも貼られた。

 SNS上ではモレノ氏のオーナー職継続に否定的な書き込みが少なくなく、大谷の移籍を期待さえする声も上がっているが、同氏が総年俸に言及した狙いの一つ。それは今季終了後にFAになる大谷の引き留めだ。

 すでにミナシアンGMは、昨年9月に今季年俸3000万ドル(約39億円)で契約を更新した大谷と、2030年まで契約を結んでいるトラウトの2人を核とするチームづくりの方針を公言。これまでネックとなっていたのは総年俸の制限だったが、前出の文言は、そういったことを気にかけることなく勝てるチーム作りを行う意思の表明であり、大谷にも大型契約が準備できるという“ラブコール”とも受け取れる。

 大谷がFAになれば、ドジャースを筆頭にメッツ、パドレス、ヤンキース、マリナーズなど、資金力と戦力を兼ね備えた球団による大争奪戦は必至。シーズン中は野球に専念したい意向を示している大谷。エンゼルスの誠意はその心に響くだろうか。開幕までの2カ月は契約延長のための極めて重要な時間になることは間違いない。(デイリースポーツ・MLB担当・小林信行)

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