大谷翔平が死球与えた相手に試合中に謝罪「申し訳ない」 右腕打撲のヘルナンデス「ショウヘイはいい男」
「マリナーズ3-4エンゼルス」(5日、シアトル)
エンゼルスの大谷翔平投手が「3番・投手」で出場し、投手では制球に苦しみながらも粘りの投球で6回を3安打1失点に抑えて今季初勝利。111球を投げて与四死球6、奪三振8だった。打者では2点リードの七回に適時打を放って2打数1安打2四球、1打点。投打の活躍でチームの勝利に貢献した。
少し腫れていた。内出血で皮膚が淡い赤紫色になった右腕が痛々しかった。試合後のマリナーズのクラブハウス。大谷に死球を受けたヘルナンデスが「ちょっとした打撲。全く問題ないよ」と言って、笑顔を見せた。
大谷が敵地スタンドからブーイングを受けた。三回だ。先頭フランスへの初球、抜けた148キロツーシームが左腕に当たった。続く2人を打ち取り、2死一塁となったところで右打者ヘルナンデスを迎えた。
前夜は2打席連続弾でチームを大勝に導いている大砲は、カウント1-1からの3球目、胸元をえぐった151キロツーシームをよけ切れずに右腕の内側に受けた。苦悶の表情でベンチから飛び出したトレーナーの治療を受けた。乱調の二刀流に地元ファンが不満の声を上げた。
続く四球で二死満塁のピンチを背負った大谷だったが、こちらも前夜に2発を放っているポロックを三ゴロに仕留めてガッツポーズ。しかし、そこで意気揚々とベンチに戻らないのが大谷だ。
二塁から三塁への進塁を試みた後、ベンチに戻ろうとするヘルナンデスとすれ違いざまに大谷が言葉を発する。
「SORRY!(申し訳ない)」
謝罪の言葉にヘルナンデスが小さくうなずく。長いシーズン。けがの怖さは十分に知っている。敵同士ではあるが、リスペクトの気持ちは絶対に忘れない。1点を争う接戦の中で見せた心和むシーン。ドミニカ共和国生まれのメジャー9年目のベテラン外野手は「ショウヘイはいい男だよ。わざとじゃないのは分かっている。何も問題ない」と言った。