エンゼルス・大谷 侍対決・吉田K斬り 豪雨ずぶ濡れ降板で勝ち星手にできず
「レッドソックス4-5エンゼルス」(17日、ボストン)
3月のWBCで日本代表の優勝に貢献したエンゼルスの大谷翔平投手(28)が17日(日本時間18日)、レッドソックスの吉田正尚外野手(29)とメジャーで初対戦。投打同時出場の大谷が、吉田を空振り三振に仕留め、バットでは5打数2安打と結果を残したものの、降雨中断の影響で2回降板。吉田との対戦も1度だけで、早朝の起床に始まり、アクシデントにも見舞われた中、勝ち星も手にできずに終わった。
侍ジャパンをけん引した3、4番コンビの直接対決だ。地元中継局が特集映像をつくった注目のマッチアップは、初回2死からだ。
大谷と吉田の対戦はNPB時代の17年7月12日以来、2106日ぶり。「そこまでプレッシャーのかかる場面ではなかった。こっちのペースで投げられた」。スイーパー2球で追い込み、低めの127キロカーブの後に高めの158キロ直球で空振り三振に仕留めた。
今季4度目となった“リアル二刀流”出場は、吉田との対戦以外で波乱に満ちていた。試合開始時間は午前11時過ぎ。大谷は午前6時45分に起床し、7時40分過ぎに球場入り。ところが、降雨で試合開始は56分遅れた。
フィールド上でもハプニングの連続だ。初回に出塁すると、塁上で着用したジャンパーのファスナーが破損。二回には投球前には突然の豪雨でずぶ濡れに。続けて捕手が装着していたサイン交換用電子機器「ピッチコム」も故障した。挙げ句の果てには三回攻撃中に雨脚が強まり、1時間25分の中断。途中降板を強いられた。
2回無安打1失点。「球自体は悪くなかった」と大谷。31球での交代には「いけるとは思ってました」と本音も。けがのリスクを考慮しての措置とはいえ、4点リードの展開で3勝目を逃し、メジャー1位だった防御率は0・86となり3位に。「考えてもしょうがないことだと思います」と淡々と振り返った。
救いはチームが連敗を3で止めたこと。「こういう不規則なゲームを経験できたことはいい経験にはなりました」。濡れた髪の大谷が前を向いた。