エンゼルス・大谷 元同僚も脱帽の衝撃膝付き弾 思い起こすWBC才木からの一発
「エンゼルス4-5アストロズ」(10日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手(28)がアストロズ戦に「3番・指名打者」で出場し、3点を追う九回に8試合ぶりとなる右越え8号2ランを放った。左膝を折りながら低めのカーブに見事に対応した。先発登板した前日は7回3失点と力投も今季初黒星。チームは敗れたものの登板翌日に、技ありの一発で存在感を示した。
驚がくのアーチは敗色濃厚な九回に飛び出した。3点を追って無死一塁で迎えた第4打席。前夜に空振り三振に打ち取られた守護神プレスリーがカウント1ボール2ストライクから投じた低めのカーブを、大谷は左膝を折りながら巧みに拾い上げた。右翼席に届く飛距離124メートルの8号2ラン。自身8試合ぶり、5月に入って初となる一発でチームに活力を与えた。
体勢を崩されながらの一撃は、3月6日のWBC強化試合・阪神戦(京セラ)で才木のフォークに左膝をつきながら中越えへ運んだ異次元アーチを思い起こさせた。地元放送局の名物解説者マーク・グビザ氏も中継で「どうしてあそこまで飛ばせるのか分からない!。両手を後ろに残しながらフィールドの外へ運んだ!」と感嘆の声を上げた。
相手のベテラン捕手、マルドナドも技あり弾に脱帽した。
かつてエンゼルスでプレーし、18年にはメジャー1年目の大谷とバッテリーを組んだ間柄。大谷を「ホルヘ」と呼び、打席に入った時には「ゲンキデスカ?」「ゲンキデス」とあいさつを交わすのがルーティンとなっている。元相棒は九回の一発を「(カーブは)要求通りのコースだった」と振り返りながら、「オオタニのスイングが良かった」と称賛の言葉を連ねた。
チームはさらに一打サヨナラ勝ちの状況まで攻め立てたが、あと1本が出ずに連敗。同じア・リーグ西地区のレンジャーズとの3連戦に続き、2カード連続負け越しで貯金を2に減らした。7回3失点と力投しながら今季初黒星を喫し、打者では3打数無安打に終わった前日の試合後、「バッティング自体の調子は良くも悪くもないぐらいの感じかなと思います」と語った大谷。この一発が上昇へのきっかけになればいい。