「エンゼルス０－２ドジャース」（２０日、アナハイム）

　通算２０５勝のドジャース、クレイトン・カーショー投手が先発し、エンゼルス打線を７回無失点に抑えた。七回は無死二、三塁のピンチを背負うも気迫の投球で生還を許さず。八回に味方打線が２点を先制し、９勝目を手にした。

　日本でも大きな注目を集めた大谷翔平との対決。第１打席は左飛に打ち取り、第２打席はスライダーで空振り三振。第３打席は外角スライダーをバットの芯で捉えられたが、泳がせていたため打球は左翼のウォーニングゾーン付近で失速。試合前まで公式戦では通算８打数無安打に大谷を封じており、これで１１打席ノーヒットに抑え込んだ。

　序盤三回は無安打投球の左腕。四回にはレンフローの長打で一塁走者が一気にホームを狙って一旦はセーフと判定されたが、チャレンジでアウトに覆った。０－０の七回は無死二、三塁と絶体絶命のピンチを招くも走者をかえさなかった。

　カーショーは「母の日」前日の５月１３日に最愛の母が他界。それでもチームを離れることなく、ローテーションを崩さずに同１６日のツインズ戦に登板した。「野球を応援してくれた母はチームを離れることを望まない」と説明したという。

　ＭＬＢでは極めて珍しい行動を見せたレジェンド左腕。八回に味方打線が幸運な形で１点を先制すると、ベンチのラバーをたたいて喜びを表現した。

　かつて黒田博樹氏も尊敬したカーショー。チームのために左腕を振り続ける男が９勝目を手にした。