大谷翔平、突然の乱調で5失点5敗目「思い通りではなかった」 打者で2安打も逆転負けでワースト6連敗 いら立ちは「誰しも出る」
「エンゼルス5-7アストロズ」(14日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手が「2番・投手」で出場し、投手としては六回途中5安打5失点(4自責点)、与四球3、奪三振7で5敗目(7勝)。右手中指の爪の損傷とまめの影響からか、四回から制球が安定せず、2登板連続5失点で防御率は今季ワーストの3・50となった。打者では5打数2安打、1得点。2戦連続、今季27度目のマルチ安打をマークしたが、チームは逆転負けでシーズン最悪を更新する6連敗で借金2となった。
後半戦初戦。オールスター戦開催期間を挟み、10日ぶりにマウンドに立った大谷は初回こそ2死から連打で2人の走者を背負ったが、5番マコーミックをスイーパーで空振り三振。三回まで毎回の4三振を奪い、無失点に抑えた。
味方打線は二回に2点を奪って二刀流を援護。連敗阻止へ投打の歯車がかみ合ったかに見えたが、四回に状況は暗転する。
先頭タッカーへの初球が左足つま先を直撃した。その瞬間、天を仰いだ大谷は右手中指を気にする仕草を見せた。同箇所は前半戦最後の登板となった4日のパドレス戦で爪の損傷とまめの悪化で緊急降板を強いられた“古傷”だ。
試合前のネビン監督は「大丈夫。本人も指の状態に自信を見せている」と豪語したが、そこから2者連続四球で無死満塁の大ピンチ。マウンド上の大谷は首を振り、声を上げ、不満をあらわにした。
6番マドリスを三ゴロ本塁封殺で1死満塁としたが、続くジョークスに右前適時打、さらに二ゴロの間に2点目を失い、同点に追いつかれた。3つ目のアウトを取った後にはマウンドを降りながらふたたび、不満の声を挙げた。
右手中指の状態が心配される中、ネビン監督は大谷を続投させる。しかし、それが裏目に出る。1死から連続二塁打で勝ち越し点を許すと、4番アブレイユの三塁前の大きなバウンドをレンヒーフォがグラブのふちに当ててそらす大チョンボ。完全に打ち取った打球。ショックの大きさを表すかのように大谷はフィールド上でがっくり肩を落とし、両手をひざについたまま動けなかった。それでも最後は連続三振をイニングを終え、意地を見せた。
五回を終えて89球。指揮官は大谷を同点の六回のマウンドにも送り出したが、先頭打者に3球連続ボールを投げ、カウント3-1からこの日3つ目の四球を出したところトレーナーと水原通訳を連れ立ってマウンドに向かう。降板命令。大谷は険しい表情で首を振り、言葉を発した後、マウンドを降りた。地元ファンはスタンディングオベーションで力投を称えたが、本人は顔を上げることなく、ベンチ内で待つ首脳陣やチームメートたちの前を素通りしてベンチ裏に消えた。
投手としては不完全燃焼だったが、打席では技ありの2安打。初回の打席で内角高めの速球を詰まらせながら左前へ落とすと、2点を追う五回も内角高めの直球を左前へ。4者連続安打で2点を奪う猛攻の口火を切り、自身もホームを踏んだ。
エンゼルスは六回無死一塁から2番手で登板したウェブが四球と適時打で大谷の残した走者を生還させて勝ち越される。六回の攻撃では無死一、二塁から試みたバントが捕飛となり、さらに飛び出した二塁走者のレンフローが帰塁できずに併殺に倒れる拙攻。3点を追う七回にはウォードの10号ソロで1点を返すが、逆転ならず。前半戦から続いている連敗は6となった。
試合後、大谷は守備の乱れでの失点や降板の場面では、いら立った表情を浮かべるシーンや、膝に手をつきうなだれる場面もあったことを問われ「(フラストレーションが溜まっている状況か?)それはなると思う。負けがこんでくると、人間誰しもそういう感情は出るんじゃないか。(降板の場面は)不満というか、自分自身が思い通りではなかった。あそこも抑えて、先頭しっかりきっていれば。(味方の守備が乱れた場面も)まずはバットに当てさせないのが1番効率よくアウトをとるための手段なので、インフィールドに打球が転がればああいうことが起きてしまうので。誰もがエラーしたくてしてるわけじゃないですし、まずは1人1人がやっていくこと」と、語った。