藤浪 ア・リーグ最高勝率オリオールズへ電撃トレード 「勝利の方程式」へつなぎ役期待

 米大リーグ、アスレチックスの藤浪晋太郎投手(29)がオリオールズへ電撃トレードされた。19日(日本時間20日)、両球団から発表され、ア軍は同投手と引き換えにマイナー3Aのイーストン・ルーカス投手(26)を獲得。藤浪は阪神からポスティングシステムでメジャーに挑戦し、アスレチックスと1年契約を結んでいた中、メジャーの水に慣れ、結果を残したことが今回のトレードにつながった。オリオールズは20日(日本時間21日)からレイズと戦う。

 電撃トレード。メジャー最低勝率の球団で奮投していた藤浪に白羽の矢を立てたのは、ア・リーグ最高勝率のオ軍だった。7年ぶりのプレーオフ進出、そして、9年ぶりの地区優勝を目指す若いチームが、日米11年目で164キロ右腕の力を必要とした。

 藤浪が新天地で期待されるのは、先発と「勝利の方程式」をつなぐ役割が濃厚だ。チームには今季26セーブ、防御率1・00、奪三振率17・65を誇る絶対的守護神バティスタと、防御率1・58のセットアッパー、カノの球宴コンビがおり、チーム最多43登板で6勝を挙げているボーマンらが方程式を形成する。

 六回以降、リードした試合は43勝4敗と圧倒的な強さを示しているオ軍。しかし、先発が早期降板した場合、“ノルマ”の6回を投げ切れなかった場合の継投に苦心していたのも事実としてある。

 藤浪は昨オフに阪神からポスティングシステムを利用してア軍に入団。開幕から先発を4試合務めた後、4月下旬にブルペンへ配置転換され、セットアッパー、回またぎ、延長戦、オープナーなど、さまざまなシチュエーションで投げ、経験を積んできた。

 5月までは防御率12点台であえいでいたが、6月5日以降の16登板の防御率は2・45。前回18日のレッドソックス戦では11登板連続無四球を記録し、大きな課題だった制球は時間の経過とともに改善。見事なV字回復を見せている。

 ア軍は来季以降を見据えた編成に舵を切っており、藤浪の移籍は時間の問題との見方もあった。今季終了後にFAになること、年俸325万ドル(約4億5000万円)のうち負担額が約100万ドル(約1億4000万円)という手軽さ、リスクの低さもトレードの追い風となった。とはいえ、8月1日のトレード期限まで10日を残しての発表にだれもが驚きの声を上げた。

 オ軍が属するア・リーグ東地区は、最下位のヤンキースでさえ勝率5割を超えている超激戦区。その1勝がプレーオフに直結する状況下でのマウンドは、ア軍では経験したことがない。自身の投球スタイルを見つけた藤浪の真価が問われる。

 ◆ボルチモア・オリオールズ アメリカンリーグ東地区所属。本拠地とスタジアムはボルチモアのオリオール・パーク・アット・カムデンヤーズで、ベーブ・ルースの生家の近く。1982年から98年にかけてカル・リプケン・ジュニアが2632連続試合出場。ワールドシリーズ優勝は83年を最後に計3回。所属した日本人選手は上原浩治。和田毅も傘下に所属したが故障でメジャー登板なし。現在、オリオールズはア・リーグ東地区の首位。

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