救援失敗の藤浪晋太郎に現地中継局は同情「ストライク入っていた」「打球が跳ねた」
「レイズ5-6オリオールズ」(22日、セントピーターズバーグ)
19日にアスレチックスからオリオールズへ電撃トレードされた藤浪晋太郎投手が2試合連続登板。4番手で2点リードの八回のマウンドを託されたが、いきなり連続四球と暴投で無死二、三塁のピンチを背負い、内野ゴロと適時打で同点に追いつかれた。1イニングを投げ切れずに降板。移籍後初登板となった前日も先頭にソロ弾を許しており、2試合で失点した。
地元中継局は首位攻防戦で重圧のかかる場面で藤浪を起用したことに「ハイド監督は重圧のかからない場面で彼を投げさせたいと言っていましたが」と意外な様子。接戦のマウンドに「余裕がないのは間違いないでしょう」と藤浪の心情を思いやった。
先頭の代打マーゴにボールが先行すると「これまで制球に苦しんできたということが一つありますね。時としてそれがトラブルの元になっています」と、藤浪の悪癖を紹介。カウント3-1から投げ込んだ高めいっぱいの161キロがボールと判定されると、9分割の図解を示しながら「ストライクゾーンに入っているのがわかりますね」と、“不可解な1球”を解説した。
次打者の1番ディアスにも四球を与え、ホルト投手コーチがマウンドに向かうと、中継局は球宴セットアッパーのカノが七回1死一、二塁のピンチの火消しに成功した後に藤浪を投入した継投を説明。「ハイド監督は(抑えの)バティスタに(20日に続いて)再び2イニングを投げさせたくなかった。八回に3アウトを取るだれかが必要だった」と伝えた。
しかし、藤浪は2番フランコへの初球、スプリットがワンバウンドとなって暴投。無死二、三塁でさらなる窮地に追い込まれると、二ゴロで1点を失う。続く3番ラミレスをカウント2-2から内角低めへの151キロスプリットで空振り三振に仕留めると、「なんというスプリットだ!」と絶叫「打者の手元で変化しました。ツーシームのような動きでしたね」と解説した。
2死三塁から4番アロザレーナに左前適時打を許し、同点にされた藤浪。しかし、打球は捕球態勢に入った遊撃手の手前でイレギュラーバウンドしたことに「バットの先で捉えた打球が見た目以上に強かった。打球が跳ねたように見えました」と、不運を強調した。
五回まで5点をリードしていたオリオールズは藤浪への継投策が裏目に出て追いつかれたが、九回の攻撃で勝ち越し点。無死一塁から犠打で走者を得点圏に進めて代打オハーンが右前適時打で手堅く決勝点をもぎ取り、ア・リーグ東地区の単独首位に立った。