エンゼルス・大谷 ルース超えた前人未到の快挙 10勝目&40本塁打で史上初の2年連続W二桁を達成

 「エンゼルス4-1ジャイアンツ」(9日、アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(29)がジャイアンツ戦に「2番・投手兼指名打者」で出場し、6回3安打1失点で10勝目を挙げ、メジャー史上初となる2度目の「2桁勝利、2桁本塁打」を2年連続で達成した。「10勝、40本塁打」の到達もメジャー史上初。「野球の神様」と呼ばれたベーブ・ルースも到達していない前人未到の快挙を成し遂げた。チームは2連勝で逆転プレーオフへ望みをつないだ。

 歯を食いしばり、持てる力を振り絞って右腕を振った。大谷がエースとしてのプライドと意地でチームを連勝に導き、勝ち星と本塁打で前人未到の2年連続での「ダブル2桁」を達成した。「内容的にはそこまで良くなかったと思いますし、その中で勝てたのは良かったのかなと思います」。その表情に疲労の色を浮かべ、歴史的勝利を淡々と振り返った。

 16日間で16試合。過酷な日程の最後のマウンドを託された。7月27日の試合で腰付近、同28日には両ふくらはぎがけいれん。6日前の登板では右手中指がつって4回で緊急降板。体調が心配される中、立った中5日の登板は二回で47球を費やす苦しい投球だった。

 六回には左足を滑らせてマウンド上でバランスを崩すアクシデント。すぐにネビン監督とトレーナー、水原通訳がマウンドに駆け付けた。「なにか問題があったかどうかの確認と、息を整えるという感じですね」。続投の意思を示し、マウンドに立ち続けた。

 許した失点は失策が絡んだ1点だけ。クオリティースタート(6回以上、3自責以下)で先発の役割をしっかり果たしたが、「終始、自分の状態というか、そこにあまり納得いってなかった」とダメ出し。理想とする投球のレベルの高さをあらためて知らしめた。

 打者としては地元ファンの大ブーイングの中を一塁へ歩いた。0-1の六回無死二塁の場面でメジャー最多の16個目の申告敬遠。バットを振ることなく、好機を拡大すると、後続に同点適時打、さらに勝ち越し3ランが飛び出す。「(敬遠四球後の)重圧のかかる打席でしっかり点が取れたのは頼もしい」。打線のつながりを素直に喜んだ。

 今季ワースト7連敗を喫した後の連勝。ワイルドカード争いはプレーオフ圏内の3位ブルージェイズと7ゲーム差の7位と厳しい状況だが、「可能性がある限り、諦めるということはないです」と大谷。昨季は15勝を挙げている二刀流は「もっともっと今年中に積み上げれるように頑張りたい」と、残り46試合に意気込みを見せた。

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