MVPの大谷翔平、来季はどこへ? 「30球団が欲しがっている」大争奪戦本格化へ 今回も「西海岸」?「球団の質」重視?

 米大リーグの今季の最優秀選手(MVP)が16日に発表され、ア・リーグは投打「二刀流」で好成績を残した大谷翔平投手(29)が2年ぶり2度目、ナ・リーグはブレーブスのロナルド・アクーニャ外野手(25)が初受賞した。

  ◇  ◇

 大谷がエンゼルスからFAになって2週間、全30球団との交渉が解禁になって10日が経過した。マリナーズのディポト編成本部長が「30球団が欲しがっている」と表現した争奪戦が水面下で行われている。

 9月に右肘手術を受けたため、来季は打者に専念する大谷。獲得に動く球団の「第1条件」は打線の中軸を担う指名打者を必要としているチームだ。大本命と言われているドジャースは33本塁打&103打点のマルティネス、対抗馬とみられるレンジャーズはガーバーがともにFAになっている。このほかにもメッツ、ジャイアンツ、マリナーズ、レッドソックスなど、古巣エンゼルスを含めた約10球団が強打の指名打者を欲している。

 総額5億ドル(約750億円)とも予想されている大谷を獲得する上で資金は不可欠だ。メジャーでは選手の価値を測る物差しとして総額の他に、1年あたりの平均年俸となる「AAV(Average Annual Value)」がある。

 現在、メジャー最高の契約総額はトラウト(エンゼルス)の12年4億2650万ドル(約639億8000万円)で、平均年俸の最高はシャーザー(レンジャーズ)とバーランダー(アストロズ)の4333万ドル(約65億円)だ。

 大リーグ情報サイト「トレード・ルーマーズ」が予想する大谷の契約は12年5億2800万ドル(約792億円)、平均年俸は4400万ドル(約66億円)になる。メッツとレンジャーズが補強前にもかかわらず、来季の総年俸が既に1億9000万ドル(約285億円)を超えているのに対し、エンゼルス、ドジャース、マリナーズ、ジャイアンツなどは1億4000万ドル(約210億円)以下に抑えており、資金面に余裕がある。各球団が大谷側にいかに誠意を見せることができるか。

 大谷は17年オフに日本ハムからメジャーへ移籍する際に7球団と最終面談を実施。米報道では、選ばれたチームはカブスとレンジャーズを除く5球団が温暖な西海岸だったことから今回の球団選びも、「西海岸」との考えが根強く残っている。

 その一方で今回は6年前と違い、地域より「球団の質」を重視しているとの見方もあり、情報は錯綜(さくそう)している。

 例年、12月上旬に球団関係者や代理人らが一堂に会して開催されるウインターミーティングが交渉の大きな節目になる。今オフの主役を巡る争奪戦もここから本格化していく。

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