オリックスからポスティングシステム（入札制度）を利用して米大リーグへの移籍を目指す山本由伸投手が米東部時間２１日午前８時（日本時間２１日午後１０時）からメジャー全３０球団との交渉が始まる。複数の米メディアが２０日（同２１日）、オリックスが米大リーグ機構（ＭＬＢ）にポスティングの申請を行い、全球団へ公示。交渉期間は４５日間で来年１月４日午後５時（同５日午前７時）に締め切られると伝えた。

　３年連続４冠を達成した山本へのメジャー球団の関心は高く、ともにニューヨークを拠点とするヤンキースとメッツのほか、ドジャースやジャイアンツ、カブス、カージナルス、レッドソックス、レンジャーズ、ツインズなど、補強資金が豊富で先発陣の柱を必要とする１０を超える球団が調査し、エンゼルスからＦＡになった大谷以上の争奪戦になる可能性がある。

　ＭＬＢ情報サイト、トレード・ルーマーズは山本の契約に関して１４年オフに楽天から入札制度を使ってヤンキースと日本投手最大の７年１億５５００万ドル（約２３２億５０００万円）の契約を結んだ田中（現楽天）を超える１２年２億２５００万ドル（約３３７億５０００万円）を予想。今月上旬に開催されたＧＭミーティングでは同投手の身長（５フィート１０インチ＝約１７８センチ）が話題になるなど、報道は過熱している。

　２５歳の山本のポスティング公示を受けて米スポーツサイト、ジ・アスレチックは「この年齢の投手がどのような形であれＦＡになるのは稀であり、彼を獲得したチームは今後１０年間、先発ローテーションの柱を手にすることになるだろう」と高く評価。ニューヨーク・ポスト電子版は、昨オフにソフトバンクからＦＡになり、メッツと５年７５００万ドル（約１１２億５０００万円）で合意し、今季１２勝、防御率２・９８をマークした千賀と比較し、関係者の話として「彼は本物だ。センガよりも上。ヤマモトの方が若いし、直球の制球力は勝っている。カットボールやスプリットはセンガの方がいいし、本当にいい投手なので比較するのはばかげているかもしれないが、ヤマモトはもっといい投手だ」などと記した。