大谷翔平 「ヒリヒリするような9月を過ごしたい」 自分の目で耳で肌で知ったドジャースの真の魅力
エンゼルスからFAになっていた大谷翔平投手(29)が10年総額7億ドル(約1015億円)の契約でドジャースに移籍することが9日(日本時間10日)、決まった。これまでワールドシリーズを7度制覇し、日本選手も多く在籍した名門。花巻東高時代から大谷にラブコールを送り続けたことでも知られている。赤のユニホームと決別し、青のユニホームに袖を通す大谷。新天地で心機一転、新たな高みを目指す。
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「もっともっと楽しい、ヒリヒリするような9月を過ごしたい」
大谷がそう話したのはメジャー4年目の21年9月26日、マリナーズとのシーズン最終戦に敗れた直後だ。あの日から804日。大谷が移籍先に常勝軍団のドジャースを選んだことに驚きはなかった。
ド軍は常に大谷の頭の片隅にあった球団だ。花巻東からプロ入りする時、日本ハムからメジャー移籍する時。いずれもラブコールを受けていた。
今でも記者が腑(ふ)に落ちない大谷の言葉がある。17年12月9日に行われたエンゼルスの入団会見で大谷は決めた理由を「縁みたいものを感じた」と、抽象的な言葉で説明した。
あの会見からちょうど6年が過ぎた。大谷はMLBの世界で生きる中で自分の目で、耳で、肌でド軍の真の魅力を知ったのだろう。そして、いつしかプレーしたいという願望に変わったのだと思う。
米メディアによれば、大谷は球団総年俸の緩和とぜいたく税回避のために、自身の考えで年俸の分割後払いを申し出たという。1000億円超えのメガ契約による球団への負担を軽減し、補強費に回すことで戦力を向上させてほしいという思いが見える。ド軍はメジャー移籍を目指す山本にも興味を示していると言われており、さらなる補強に注目が集まる。
来年7月で30歳になる大谷。9月に右肘手術を受けたため、二刀流復活は早くても25年だ。限られた時間。大谷の中でワールドチャンピオンになるイメージはできあがっているに違いない。(デイリースポーツMLB担当・小林信行)