【記者の目】大谷翔平&山本由伸両獲り ドジャースの計算通りか ヤンキース有力を覆す情報
オリックスからポスティングシステムを使って大リーグへの移籍を目指していた山本由伸投手(25)が、ドジャースと12年3億2500万ドル(約464億8000万円)で合意したと21日(日本時間22日)、大リーグ公式サイトなど複数の米メディアが伝えた。契約期間、総額ともに投手ではメジャー史上最大。
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「大谷との両獲りの可能性はある」-。
キャッシュマンGMが熱烈な“ラブコール”を送るなど、ヤンキース有力との見方が強かった今月上旬、あるメジャー関係者から聞いた言葉を思い出す。米報道によるとヤ軍のオファーは10年3億ドル(約429億円)。面談では松井秀喜氏のビデオメッセージを流したともされている。そういった中でのド軍との合意内容には驚かされたが、今にして思えば、早い段階からド軍は他球団を上回る自信があったのだろう。大谷と山本のW獲りは計算通りだったのかもしれない。
今オフのド軍は歴史的大補強を敢行している。大谷と10年7億ドル(約1015億円)で合意すると、その5日後にはレイズからトレードで獲得した先発グラスノーと5年1億3650万ドル(約195億2000万円)で契約延長。この日合意が報じられた山本と合わせ、たった10日の間に3選手に11億6150万ドル(約1661億円)もの巨額を投じた。
直近11シーズンで10度の地区優勝を果たし、20年には世界一になっている常勝軍団。日本最強投手の大争奪戦を制したが、すでに球団総年俸はぜいたく税の基準額を超えていた中、ペナルティーの額がさらに大きくなる見込みだ。
すべては4年ぶり覇権奪回のため。常軌を逸した補強にド軍の来季以降に懸ける熱い思いが見える。(デイリースポーツMLB担当・小林信行)