山本由伸 打者10人に完封6K 最後は内角直球「えい!」見逃し締め 43球外野への打球なし「試合を意識してできた」
「ドジャース春季キャンプ」(22日、グレンデール)
パ・リーグの3年連続最多勝右腕と2年連続セーブ王左腕が、海の向こうで実力をいかんなく発揮した。ドジャースの山本由伸投手(25)が22日(日本時間23日)、アリゾナ州グレンデールで実戦形式のライブBPに2度目の登板。打者10人から6奪三振。安打性の当たりは一本も許さなかった。一方、今季加入のパドレス・松井裕樹投手(28)は、ド軍とのオープン戦で1回を3者連続空振り三振と華々しいデビューを飾った。
ライブBPは山本のショータイムと化した。大谷との対戦はまたしても実現しなかったが、主軸のフリーマンを含む打者のべ10人に計43球を投じて6奪三振。三振の他は四球と内野ゴロがそれぞれ二つ。投手が有利な時期とはいえ、安打性の当たりがなかったばかりか、外野への打球すら皆無だった。
最後の打者となったバルガスには「えい!」と雄たけびを上げて、真っすぐを内角の厳しいコースにズバッと決めた。「すごくいいのがいった」。有望株を見逃し三振に仕留め、「前回よりも試合を意識してできた。ストレートも変化球もどちらも良かった」と胸を張った。
この日は多彩な変化球を巧みに操った。スプリット、ツーシーム、カットボール、カーブ。中でも米メディアも早くから注目している球種がカーブだ。打者の視界から一度消えると言われる大きな変化。メジャー通算174発の左打者ヘイワードにも有効だった。
計4打席に立った34歳のベテランからは空振りを7度奪ったが、そのうち4球がカーブ。狙い通りにタイミングを外した。本人は「まあまあ」と自己評価したが、握りや投げ方などはオリックス時代と同じ。メジャー球への対応も問題なく、大きな武器になりそうだ。
この日の取材ではアメリカでの私生活の一端も明かした。昼過ぎには終わるメジャーのキャンプから帰宅後は「昼寝したりで、家から出ない」。日本が恋しくなる瞬間については「気軽にコンビニに寄ろうとかがない。それぐらいですかね」と笑わせた。
次回は初のオープン戦登板。ロバーツ監督は「試合で投げるのが待ち遠しい」と期待感をにじませる。順調にいけば3月20、21日にソウルで行われる開幕シリーズ・パドレス戦のどちらかで先発。山本は「まだ本当にわからないが、(韓国で)投げることになったら、チームが勝てるように全力で投げたい」と意気込んだ。メジャー投手史上最高の大型契約で加入した右腕は期待通りの実力を発揮していく。