大谷翔平 声明11分、騒動後初めて語った 水原氏は「ウソをついていた」 関与完全否定、送金の詳細は語らず

 声明を発表する大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース提供)
 声明を発表するドジャースの大谷(Dodgers/JonSoohoo提供・共同)
 通訳だった水原一平氏の違法賭博問題に関して説明するドジャースの大谷翔平(右)=(Sportsnet LA/Los Angeles Dodgers提供・共同)
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 ドジャースの大谷翔平選手(29)は25日(日本時間26日)、本拠地ロサンゼルスのドジャースタジアムで、通訳を務めた水原一平氏(39)の違法賭博の疑いが発覚して以降初めて報道陣に対応し、胴元への送金や賭博についての自身の関与を完全否定した。公私にわたって固い絆で結ばれていた“相棒”のまさかの裏切り。大谷は「ウソ」という言葉を6度も使って水原氏を断じた。

 正々堂々と身の潔白を訴えた。会見場に押し寄せた約80人の日米報道陣を見渡しながら発する言葉には一点の曇りもなかった。通訳以上の存在だった水原氏の電撃解雇から6日。持参した声明文に大谷の強い思いが詰まっていた。

 ドジャーブルーの帽子にパーカー姿。大谷は表情を変えることなく会見場の席に着く。ひな壇の右側からカステン球団社長らフロント陣、ロバーツ監督、ケリーとE・ヘルナンデスの2選手が見守った。

 「まず、みなさんに来ていただいてありがとうございます。僕も話したかったので、うれしく思ってます」

 一部の米メディアが報じた前代未聞のスター選手の通訳による違法賭博と多額の借金。さまざまな憶測に弁明できなかったもどかしさが第一声にこもっていた。「信頼していた方の過ちというのは悲しく、ショックですし、今はそういうふうに感じてます」

 現在は連邦当局と大リーグ機構が真相解明に向けて調査している。「話せることに限りがある」と断った上で手元のメモを見つつ「まず初めに、僕自身は何かに賭けたり、誰かに代わって賭けたり、それを頼んだりということもない」と、自分に向けられていた疑惑の目を完全否定した。「彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ僕の周りにもウソをついていたというのが結論です」

 質疑応答なしの約11分間の会見で次々と“真実”を明らかにした。「ウソ」という言葉は6度も繰り返した。水原氏がギャンブル依存症であり、借金返済のために自分の銀行口座から多額の金を送金したことを知ったのは20日のソウルでの開幕戦の試合後。

 「ホテルに戻って一平さんと初めて話をして、彼に巨額の借金があることを知りました。その時に彼は、僕の口座に勝手にアクセスし、ブックメーカーに送金していたということを伝えました」

 さらに周囲には借金は水原氏の友人のもので、肩代わりしたことも大谷の了承済みであると説明していたことなど数々の裏切りを明かしていった。ただ、質疑応答はなく、口座に水原氏がアクセスした具体的な手段についての説明はなかった。

 「正直、ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の、うまく言葉では表せないような感覚でこの1週間は過ごしてきた」

 声明文には水原氏の呼び方が「彼」と書かれていたはずだが、会見中には「一平さん」と7回、言い換えたところに、これまで築いてきた2人の関係性がのぞいた。心境を語る際には言葉に詰まる場面もあった。

 本拠地開幕が3日後に迫っている。「気持ちを切り替えるのは難しいですが、シーズンに向けてまたスタートしたい」。心の傷はすぐには癒やされることはない。それでも前を向いてメジャー7年目の戦いに臨む。

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