大谷1号!特大131メートル 待望41打席目「自分の中ではかなり長い間、打ってないなという感覚だった」

 ジャイアンツ戦の7回、今季初本塁打を放つ大谷(提供・共同通信社)
 7回、今季初本塁打を放つドジャース・大谷(共同)
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 「ドジャース5-4ジャイアンツ」(3日、ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平選手(29)がジャイアンツ戦の七回に移籍初本塁打となる1号ソロを放った。開幕から9試合目、41打席目でやっと飛び出した待望の一発に、満員の本拠地ファンは大熱狂。大谷自身も「まず1本出て安心している」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。これでメジャー通算172号。ヤンキースなどで活躍した松井秀喜の日本選手最多まであと3本に迫った。

 重圧から解き放たれた。口を真一文字に結び、グッと握った右の拳に感情が見えた。期待を背負ってやってきた新天地で最も遅いシーズン1号。「自分の中ではかなり長い間、打ってないなという感覚だった。バッティング自体もそこまで良くなかった。まず1本出て安心しているっていうのが率直なところ」。心の中は安堵の気持ちがいっぱいだった。

 その瞬間、チケット完売5万2746人をのみ込んだスタジアムが揺れた。1点リードの七回2死走者なし。カウント3-1から左腕ロジャースが投じた外角高め、150キロツーシームにバットを伸ばした。初速170キロの打球が低い弾道で右中間席中段に突き刺さった。飛距離131メートル。待ちに待った1本だった。

 一難去ってまた一難。開幕戦のために訪れた韓国で通訳だった水原氏が違法賭博や巨額借金の疑いで解雇された。米国に戻った後は時差ぼけに悩まされた。しばらくするとチーム内に風邪が流行。大谷も体調を崩し、この日の試合前もクラブハウスで何度もせき込む場面があった。心身ともに野球に集中できる環境ではなかった。

 心の支えになる言葉があった。「自分らしくいればそれだけでいい」。開幕から本来の力を出し切れていない昨季のMVP&本塁打王へのロバーツ監督の気遣いがうれしかった。

 三回に内野安打で出塁し、一塁から快足を飛ばして一気に生還すると、負傷者リスト入りしているヘイワードから水の入った紙コップを手渡された。本塁打の後にはT・ヘルナンデスがベンチ前で待ち構え、“ひまわりの種シャワー”で祝ってくれた。「みんなからサポートしてもらってありがたかった」。感謝の言葉が口をついた。

 試合は1点差で逃げ切って勝利。大谷の効果的な一発がチームを4連勝に導いた。

 本拠地開幕7連戦を終えた大谷はチームとともに今季初の遠征に出る。「(打撃感覚は)徐々に良くはなってはきてるなとは感じてましたけど、結果につながるかどうかで全然違う。その意味ではすごく良かったと思います」。逆境を乗り越えて放った1号。大谷が成長の階段をまた一段上がった。

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