大谷が捕手役 真美子夫人の始球式代わりに13歳少年「本人(真美子夫人)と話して」 今季MLB最多5万3527人動員
「ドジャース2-7レッズ」(16日、ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平選手(29)は16日、ロサンゼルスでのレッズ戦に「2番・指名打者」で出場し、2打数無安打1盗塁で九回に代打が送られた。試合は敗戦も、自身のボブルヘッド人形がプレゼントされた一戦で、今季MLB最多となる5万3527人を動員。始球式には登板の可能性のあった真美子夫人と話し合い、代わる形で小児病患者として3度の手術を経験した子どもが行うと、大谷が捕手役を務めるという心温まる一幕もあった。
未来ある野球少年に良い思い出をつくってほしい。それが、真美子夫人と話し合って出した結論だった。
先着4万人の観客に自身のボブルヘッド人形が配布された一戦。始球式では大谷が捕手役を務めた。マウンド上には、リトルリーグでプレーする13歳のアルバート・リー君。ショートバウンドになった投球を逆シングルで捕球すると、大きな拍手と歓声が注がれた。
ド軍では、人形配布日はモチーフになった選手の妻や家族が始球式を行うことが定番。2月に結婚を発表した新婚夫婦にも打診はあったが「光栄なことですけど、本人(真美子夫人)と話して、野球が好きな子や、あんまり(球場に)来られない病院の子だったり、そういう方がいいんじゃないかなって」。生後すぐに心臓病と診断され、複数回の手術を乗り越えた野球少年を試合に招待することを決めた。
自身との対面や始球式の登板は、いずれもサプライズ。試合前の対面時には、口をあんぐりさせて驚いたリー君の表情に「もちろんすごくうれしい」と大谷。野球で活躍していることには「難しい状況の中で本当に好きでやってくれたらそれだけでうれしい。いい思い出になってくれたら、それで十分」と言った。
大谷のお宝グッズを求めて、球場周辺には長蛇の列ができたほどで、今季メジャー最多の5万3527人が押し寄せた。「素晴らしい風景。選手冥利(みょうり)に尽きる。本当に壮観で、素晴らしい瞬間だった」。試合では4試合ぶり無安打も、初回に四球で出塁後、11盗塁目となる二盗に成功して沸かせた。みんなを笑顔にした時間。大谷夫妻にとっても忘れられない一日になったはずだ。