大谷翔平 首位打者の理由「状況に合った打撃できれば必然的に率残る」
「ドジャース3-2レッズ」(19日、ロサンゼルス)
勝利の打球が右翼フィールドに落ちた。同点で迎えた延長十回2死一、二塁。ドジャースの大谷が守護神ディアスにカウント1-2と追い込まれながら内角低めの151キロ直球をコンパクトに振り抜いた。移籍後初のサヨナラ打。チームメートから給水タンクの水を浴びせられ、大谷が満面の笑みを浮かべた。
この日の大谷は五回の打席で左脚をかすめた死球を含め、3打席目までノーヒット。17日に13号2ランを打った後は9打席連続で快音がなかった。しかし、八回に快足を生かした一塁内野安打を記録すると、延長十回の打席ではサヨナラ適時打。終わってみれば、メジャー最多21度目のマルチ安打を達成した。
打率を・353まで上昇させ、前日に奪われた首位打者の座を1日で取り返した。ここまで47試合に出場し、ナ・リーグ最多の13本塁打。長打率は両リーグ最高の・658だ。二刀流の活躍で自身2度目のMVPを獲得した昨季は打率・304、長打率・654でフィニッシュ。今季は打率の高さが際立っている。
濡れた髪のままで応じた試合後の囲み取材。大谷は高い打率を残していることに「どの打席も基本的なことは変わらない。ボール球を振らずに、ストライクを振るという、その作業自体は変わらない」と言った後、「その状況、状況に合ったバッティングはあると思うので、その状況に合ったバッティングができれば、必然的に率も残るかなと思ってます」と続けた。
大谷の前を打つ1番ベッツ、後ろを打つ3番フリーマンはいずれもMVPを獲得しているメジャー屈指の強打者だ。4番スミスは捕手の激務をこなしながら打率3割、OPS・843の好成績を残している。
持ち味の長打力とバットコントロ-ル。そして、状況に応じた打撃が勝利に直結するチーム環境。大谷が首位打者に立っている理由がここにある。