山本由伸 最強ヤ軍斬り!自己最速158・4キロ 7回0封7奪三振 将「ドジャースに来て一番の投球」
「ヤンキース1-2ドジャース」(7日、ニューヨーク)
ドジャースの山本由伸投手(25)が敵地ヤンキースタジアムで行われたヤンキース戦で7回2安打無失点の快投。自己最多の106球を投げて与四球2、奪三振7。勝敗はつかなかったが、自己最速を更新する98・4マイル(約158・4キロ)の直球を主体にメジャー最強球団の打線を手玉に取った。大谷翔平選手(29)は「2番・指名打者」で出場し、5打数無安打。試合は延長十一回、2-1で競り勝った。
試合前の選手紹介で一番大きなブーイングを浴びた。昨オフに移籍先最有力と言われていたヤ軍との初対決。今季最多4万8048人をのみ込んだ敵地で山本がメジャーの洗礼を受けた。
しかし、マウンド上では動じなかった。初回。2死からメジャー最多21本塁打を誇るジャッジに左翼線二塁打を許したが、4番スタントンを143キロスライダーで空振り三振。二回も2死一、三塁の窮地に立ったが、9番トレビーノを高速スライダーでバットに空を切らせた。
三回からは3イニング連続三者凡退の快投。四回のスタントンへの初球で自己最速158・4キロを計測すると、続く157・6キロツーシームでバット粉砕の遊ゴロ。「本当に良いフォームでしっかりと体重の乗ったボールを投げられた」。米メディアが疑問視した178センチの小さな体が生み出す剛球で敵地をどよめかせた。
速球にひそかに手ごたえを感じていたのは前回、1日のロッキーズ戦だ。「何球か、『あ、こういう感覚かな』っていうのが出ていた。それがきょうの試合に出た」。直球(フォーシーム)とツーシームの球数は移籍後最多の62球。六回2死一塁からスタントンを155・8キロで空振り三振に斬った瞬間、腹の底から雄たけびを上げた。
パワーでメジャー最強球団の打線をねじ伏せ、「自信になる?」の問いかけに「そうですね」と答えた山本。七回を投げ切った右腕をベンチで力いっぱい抱き締めたロバーツ監督は「ドジャースに来て一番の投球だった」と絶賛した。
4登板連続100球超え。打線の援護がなく、7勝目はならなかったが、今季2度目のハイクオリティースタート(7回以上、2自責以下)を達成した。メジャーでもエースの風格が漂い始めている。