MVP争いは論争必至 2年連続受賞期待の大谷翔平に強力ライバル出現 Dバックス・マルテが球宴後2冠 WARは大谷を逆転
米大リーグは公式戦約50試合を残し、MVP争いへの注目度が高まりつつある。2年連続3度目の受賞に期待がかかるドジャース・大谷翔平選手が有力候補に挙がるなか、ライバルとして急浮上しているのがダイヤモンドバックスのケテル・マルテ内野手だ。
ドミニカ共和国出身の30歳で、メジャー10年目のキャリアを持つ。前半戦92試合で打率・293、19本塁打、57打点、OPS・877をマークし、5年ぶりにオールスターにも選出された。球宴ではナ・リーグのリードオフマンとして、大谷と1、2番コンビを組んだ。
とはいえ、公式サイトが7月に実施したMVP模擬投票ではトップ5にも入らず、ノーマーク状態。大谷が圧倒的多数の票を獲得したことが話題となった。ところが、球宴後のマルテは絶好調。後半戦18試合の成績は打率・328、リーグ最多の23打点、同タイの10本塁打で後半戦2冠、OPSは1・188(出塁率・397、長打率・791)と質の高い打撃を披露している。
一方の大谷は後半戦打率・229、5本塁打、12打点、OPS・866と下降気味。シーズンの成績は大谷の打率・302、34本塁打、81打点、32盗塁、OPS1・008に対し、マルテは打率・298、29本塁打、80打点、6盗塁、OPS・926。後者は守備でも二塁手としてナ・リーグ1位の守備防御点11をマークし、守備力の指標の一つ、UZRでもリーグ2位の数字を残している。
勝利への貢献度を表す指標では、MVP投票でも重視されているWAR(Baseball-Reference算出)はマルテが6・0で大谷を0・1ポイント上回り、トップに立っている。
大谷がMVPを受賞すれば、DHではMLB史上初の快挙とあって論争は必至。両選手のほかにも大谷と同じDHのオズナ(ブレーブス)とシュワーバー(フィリーズ)、リンドア(メッツ)、プロファー(パドレス)、ハーパー(フィリーズ)、デラクルーズ(レッズ)らもMVP候補に挙がっている。
ドジャースとダイヤモンドバックスが所属するナ・リーグ西地区は3ゲーム差に3チームがひしめき合う混戦模様。ペナントレースとともにMVPレースの行方から目が離せない。(数字はいずれも7日現在)