秋山幸二氏「漫画の主人公が実在」 大谷翔平の「45-45」快挙に「すごいの一言に尽きる」
「ドジャース1-3ガーディアンズ」(6日、ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平選手(30)がガーディアンズ戦の六回に45号ソロを放ち、メジャー史上初となる「45本塁打-45盗塁」を達成した。この試合までに46盗塁を決めていた。自己最多の46本塁打にあと1本、メジャー通算では秋信守が持つアジア最多記録の218本にあと2本に迫った。自身3年ぶり2度目の100打点にも到達。打撃主要2部門でリーグのトップに立ち、前人未到の「50本塁打-50盗塁」にさらに一歩前進した。
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かつて「メジャーに一番近い男」と呼ばれ、西武でプレーした1987年(130試合制)に43本塁打、38盗塁で「40-40」にあと一歩まで迫ったソフトバンク元監督の秋山幸二さん(62)=野球評論家=は、ドジャース・大谷が到達した「45-45」の快挙に「高いレベルを求め続ける意志の強さの表れ。すごいの一言に尽きる」と賛辞を贈った。
秋山さんは「長距離打者は本塁打や長打が多いので、アベレージヒッターより盗塁のチャンスが少なくなる」と両立の難しさを指摘。その上で「メジャーにも本塁打を打てて足が速い選手はあまりいない。それが大谷選手」と評した。
昨季から走塁関連のルールが改正され、投手のけん制数が制限されたことも「追い風になったのだろう」と語る。右肘手術の影響で打者に専念したこともあり「今季は記録をつくるチャンス」と見ていたという。
若手時代に米国に派遣されて多くを学んだ秋山さんは、88年に初めて「40-40」を達成したホセ・カンセコ(当時アスレチックス)にも大きな刺激を受け、90年には35本塁打、51盗塁をマーク。通算437本塁打、303盗塁で、パワーとスピードを兼備した名選手として球史に名を刻んだ。
現時点で「45-46」としている大谷の記録的な活躍に「漫画の主人公が実在している感じで、子どもたちの理想だろう。練習も試合も楽しそうなのが素晴らしい」。さらに「彼は自分に挑戦している最中だと思う。50-50の可能性も十分ある。誰もたどり着けない領域に行ってほしい」と期待した。