「ドジャース３－６カブス」（１０日、ロサンゼルス）

　カブスの今永昇太投手が７回３失点と粘りの投球で１３勝目をマーク。ドジャースが誇る大谷、ベッツ、フリーマンを無安打に抑える好投で価値ある逆転星を呼び込んだ。

　試合後、クラブハウスで米メディアの取材に応じた今永はある秘話を明かした。「これは日本代表の中でダルビッシュ有さんに言われたことがあるんですけど、『素晴らしい選手と野球をやっていると、自分のリミッターが外れて自分の知らない力が出る』と言われたことがあって。今日がまさしくそうで。山本投手、大谷選手を抑えるために、ドジャースの打線を抑えるために、チームが勝つために知らない力が出たんじゃないかなと思います」。

　自身の状態は決してよく無かった。それでも初回、山本由伸の３者連続Ｋを見て「初回を見て改めてとんでもない投手だなと思いました」と今永。右腕に引っ張られる形となり、調子が悪い中でも丁寧にボールを低めに集めた。メジャーワーストタイトなる１試合３被弾を浴びながら、いずれもソロ本塁打にし、移行は粘りの投球を見せられたことが要因だ。

　さらに五回には大谷翔平選手に右中間へ大飛球を浴びた。右翼手がフェンス手前でキャッチすると表情を変えずにマウンドを降りたが「打球速度もハードヒット。一つ間違えばホームランになってもおかしくなかった。素晴らしいスイングの持ち主だなと思いました」と明かしていた。