大谷翔平 2盗塁!イチローの日本選手最多にあと「1」日本選手最多得点も更新 九回サヨナラ呼ぶ53号ソロ
「ドジャース6-5ロッキーズ」(22日、ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平選手(30)はロサンゼルスでのロッキーズ戦に「1番・指名打者」で出場。九回に53号ソロを放つなど5打数4安打1打点。2盗塁を決め、55盗塁とした。2得点で128得点に伸ばし、2001年にイチロー(マリナーズ)が記録した日本選手のシーズン最多127を更新し、同じくイチローが持つ日本選手最多盗塁数まであと1に迫った。
感情がほとばしる。腹の底から何度もほえた。1点を追った九回裏。先頭で打席に立った大谷はカウント2-1から、新人守護神ハルバ-センの低めのスプリットを完璧にとらえる。飛距離132メートルの打球が低い弾道で中堅スタンドに突き刺さった。
大谷が見せた勝利への執念が仲間の心に火をつける。続くベッツが追い込まれながらも左翼席最前列へ劇弾をたたき込む。「ショウヘイがエネルギーをくれた」。4点差をひっくり返す逆転サヨナラ勝利。両手を挙げ、満面笑みの大谷が地鳴りのような歓声が渦巻くフィールドへ飛び出した。
前夜の敗戦でチームは地区優勝マジックが消滅した。2位パドレスが3ゲーム差に迫った状況下で先発の山本が3回4失点KOの誤算。劣勢の中でチームを鼓舞し続けたのが大谷だった。
初回に左前打で連続安打試合を6に伸ばすと、4点を追う三回にこの日2安打目となる右前打で出塁し、54盗塁目となる二盗に成功。七回には右前に運び12度目の1試合3安打を記録し、二塁を陥れる。九回の本塁打と合わせ4安打の固め打ち。直近6試合の成績は打率・571(28打数16安打)、6本塁打、15打点、7盗塁、10得点。試合後のロバーツ監督は「今の彼は人間とは思えない」と舌を巻いた。
19日のマーリンズ戦で史上初の「50-50」を達成。この日は2度目のホームインで128得点とし、01年にイチローが樹立した127得点の日本選手最多記録を更新。本拠地29本塁打は19年のベリンジャーの記録を抜いて球団最多で、盗塁数ではイチローの日本選手のシーズン最多記録にあと1と迫るなど、この日も記録ずくめのパフォーマンスだった。
この勝利で、地区優勝マジック4が再点灯。2位パドレスが勝利したため、敗れていればゲーム差は2になっていただけに、指揮官は「なんという結末だ。みんなよく戦った。正直、2勝したような気分だ」と笑顔が絶えなかった。チームは休養日を挟み、パ軍との3連戦に臨む。大谷がこれまで「ヒリヒリする9月を過ごしたい」と話していたように、渇望し続けた天王山の戦いに臨む。