大谷翔平 伝説シーズン完走 4厘差で三冠王逃すも2年連続の本塁打王&自身初打点王が確実
「ロッキーズ1-2ドジャース」(29日、デンバー)
ドジャースの大谷翔平選手(30)がレギュラーシーズンの全162試合を終え、2年連続本塁打王と初の打点王の2冠を確実にした。54本塁打、130打点はナ・リーグトップ。打率はメジャー7年目で自己最高・310を記録したが、1位に4厘届かず、三冠王は惜しくも逃した。敵地でのロッキーズ戦は4打数1安打1盗塁だった。タイトルは全チームの試合が終了する30日(日本時間10月1日)に確定する。
記録ずくめのシーズンを快音と快走で締めた。1-1の八回1死一塁。大谷が160キロ直球を振り抜くと、時速178キロの高速打球が右前へ達した。次打者の打席で重盗を決めて59盗塁目。勝ち越し点を演出し、敵地のスタンドから大きな歓声を起こった。
首位打者に4厘差。リーグ87年ぶりの三冠が懸かった試合だったが「あんまり考えてなかった。どのぐらい差があるのかもよく分かっていなかった」と大谷。3打席連続内野ゴロを喫し、打率は上げられず。逆転首位打者こそ逃したが、2年連続本塁打王と初の打点王となる2冠は決定的。得点や塁打数などを合わせると8冠を数える。打率も自己記録を更新し、日本選手初のトリプルスリーも達成。史上初の「50-50」は「54-59」まで積み上げた。
昨年9月に受けた右肘手術のリハビリをしながら打者に専念したシーズン。見る者の度肝を抜いた超人的パフォーマンスを思い返し、「打撃の質で言うと、もう一段、先が見えたのが後半は良かった」と説明した。
昨オフにド軍と10年7億ドル(当時の為替レートで約105億円)で合意。開幕直後に元通訳による犯罪に巻き込まれたが、強い精神力で乗り越え球団や同僚にも支えられ、シーズンを完走した。
2月に結婚を発表した真美子夫人、そして、愛犬デコピンはかけがえのない存在だ。
「一人でいるよりも野球以外のことを考える時間が多くなった。それが自分の中で良い方向、より野球に集中できるようになった。もちろん、感謝したいですね」
自身初のプレーオフは5日から始まる。「ここから先はシーズン中に積み上げた成績や数字に意味はない。調子を維持し、気持ちを切らさずに過ごしていきたい」。歴史的シーズンの余韻に浸ることなく、大谷の目はすでに『明日』を見ていた。