大谷翔平 雄たけびタイムリー 感情むき出し!ド軍逆王手 本塁憤死“アウトの原因”三塁塁審に鬼の形相
「ナ・リーグ・地区シリーズ、パドレス0-8ドジャース」(9日、サンディエゴ)
ナ・リーグの地区シリーズ(5回戦制)第4戦が9日(日本時間10日)行われ、ドジャースの大谷翔平選手(30)は敵地サンディエゴでのパドレス戦に「1番・指名打者」で出場し、二回に右前適時打を放つなど、3打数1安打、2四球、1打点で勝利に貢献。シリーズ2勝2敗で逆王手をかけた。第5戦は11日(同12日)に行われ、パドレスはダルビッシュ有投手(38)が先発する。
絶対に負けられない戦いで感情をむき出しにした。前日に続いて最多記録を更新する4万7773人が埋めた敵地。ブーイングを浴び続けた大谷が雄たけびを上げたのは1点リードの二回2死一、三塁だ。
初回の打席で二ゴロに仕留められた右腕シースの初球、ストライクゾーンを外れる外角スイーパーを力で右前へ運んだ。三塁走者をホームへ迎え入れて追加点。一塁上の大谷は三塁側の自軍ベンチに向かって右手を振り上げて味方を鼓舞。沈黙した敵地に大谷の声が響いた。
怒りで顔をゆがませる場面もあった。四球で出塁した四回。次打者ベッツの中飛で二塁へ進むと、3番T・ヘルナンデスの打球が三塁線を破るのを見て、三塁を蹴って本塁に突入した。
ところが、打球は三塁マチャドのグラブに当たった後、三塁塁審の左腕に当たって落ちる。打球が抜けたと思い込んだ大谷はエベル三塁コーチの制止を振り切ってホームへスライディング。右脚を懸命に伸ばしたが、わずかに届かず。本塁上でぼうぜんとした表情を見せた後、ベンチに戻って憤死の理由を知った瞬間、鬼の形相で塁審に向かって怒りを爆発させた。
前日の第3戦は1点差負け。崖っぷちに立たされた大谷はこう言った。「2連勝すればいいゲームと思っているので、『後がない』とかの感覚自体が今の僕にはない。2連勝すればOK。そういうゲームだと思います」。その言葉を伝え聞いたロバーツ監督は「それは正しい考え方だと思う。彼が緊張で硬くなることはないと思う」と納得の表情を見せた。
この日は2番ベッツが2試合連続初回本塁打を記録すれば、3試合無安打だった捕手スミスに2ランが飛び出した。投げてはリリーフ8人で強力打線を完封。チームを勢いづける勝ち方だった。
調整日を経て臨む11日の第5戦。再び舞台を本拠地ドジャースタジアムに移し、ダルビッシュと対峙(たいじ)する。第2戦で完敗した悔しさを胸に、大谷が攻撃の先陣を切る。