大谷翔平 日本選手初PS先頭弾 WS王手「しっかり決める」 3四球も2戦連発は松井秀以来
「ナ・リーグ・優勝決定シリーズ、メッツ2-10ドジャース」(17日、ニューヨーク)
ナ・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)第4戦がニューヨークで行われ、ドジャースの大谷翔平選手(30)は「1番・DH」で先発し、初回に先頭打者で前日から2打席連発となる先制ソロを放って大勝に貢献した。自身初で、チームにとって20年以来4年ぶりのワールドシリーズ(WS)進出まであと1勝。勢いのまま18日(日本時間19日)の第5戦で念願の大舞台への切符をつかみ取る。
試合開始直後の2球目。大谷は快音を響かせると、左手で三塁ベンチを指さして駆け出した。右翼手が早々と背走を諦める。敵地の大観衆は沈黙し、チームメートは大興奮だ。ポストシーズン(PS)で日本選手初の先頭打者本塁打。強打の1番打者が敵地での2連勝を呼び込んだ。
プレーオフ3本目となる本塁打は甘いシンカーを捉えた。右中間へ糸を引くような鋭い当たりは、打球速度189・5キロの“高速弾”。日本選手のPSでの2試合連続本塁打は09年のWS第2、3戦で打った松井秀喜(ヤンキース)以来、2人目の快挙となった。
第3戦まで走者がいない場面で22打数無安打と沈黙していたが、「アプローチは変えていない」とサラリ。「シンプルに今までやってきたことを継続している。比較的いい打席が多かった」と涼しい顔で言った。
2打席目以降はメッツ投手陣から真っ向勝負を避けられて3四球。そのたびに後を打つベッツが安打、二塁打、本塁打と奮起し、大谷の出塁を全て得点に結びつけた。もう一人のMVP受賞経験者が示した意地に、ロバーツ監督は「彼(ベッツ)の心に少し火を付けた」と目を細めた。
対戦成績3勝1敗でWS進出に王手をかけた。メジャー7年目で初めて経験するプレーオフを心から楽しむ大谷は「敵地でいい野球ができている。(第5戦で)しっかり決めるという気持ちを持って全員で頑張りたい」と意欲をたぎらせた。