ドジャースに激震 大谷翔平が二塁滑り込みで左肩負傷 好投・由伸で連勝も NYチャーター機には乗らず

 「ワールドシリーズ、ドジャース4-2ヤンキース」(26日、ロサンゼルス)

 軽傷であってほしい-。ドジャースの大谷翔平選手(30)が四球で出塁した七回に二塁への盗塁を試みた際、左肩を負傷した。デーブ・ロバーツ監督(52)は試合後、左肩の「亜脱臼」と説明。今後精密検査を行う方針で、ニューヨークで行われる28日(日本時間29日)の第3戦以降の出場は不透明な状況となった。チームはヤンキースに競り勝って2連勝を飾ったが、大谷不在となれば、その影響は計り知れない。

 フィールドの真ん中で大谷が左腕を抱えて苦悶(くもん)の表情を浮かべた。3点リードの七回の攻撃で仕掛けた二盗。滑り込んだ時に地面についた左手に体重が乗ってしまった。

 超満員5万2725人が埋めた球場が凍り付く。ベンチからロバーツ監督と一緒に飛び出した中島トレーナーとのやりとりを中継局のマイクが拾った。

 「肩っすね」

 「どっちの肩?」

 「左」

 「外れた?」

 「たぶん」

 試合後の記者会見。指揮官は負傷箇所を「左肩の亜脱臼」と発表。今後について「今夜か明日のうちに(MRI)検査を受け、2、3日中に詳細が分かるだろう」と説明し、大谷は試合後に敵地ニューヨークへ出発するチャーター機には乗らず、チームを離れることを示唆した。

 肩関節や周辺筋肉の状態は今後の精密検査の結果次第だが、指揮官は「(肩周辺の)筋力は素晴らしかったし、(肩関節の)可動域も良かったので安心した」と軽傷を強調。「あそこは2死の場面。追加点を取ろうとしたのは正しいプレーだった」と、1点を取りに行く姿勢を高く評価した。「大谷翔平抜きで残りの試合を戦う準備はできていますか?」。気の早い米メディアの問いには「私はそんなことは考えてない。彼がラインアップに戻ることを期待しているよ」と、強い気持ちを見せた。

 自身もけがと闘いながらプレーしているチームリーダーのロハスは「仲間が負傷する姿を見るのは辛い。状況は分からないが、いい状態には見えなかった」と心配顔。「今は大丈夫なことを祈るだけ。翔平がこのチームにとってどれほど重要な存在なのかはみんな分かっている」と話せば、その笑顔でチームを明るくしているT・ヘルナンデスは「明日の休養日で復帰できることを願っている」とあふれる思いを言葉にした。

 試合後の大谷はベンチ前の勝利のハイタッチには参加せず、終了からわずか2分後に球場を後にした。白Tシャツ姿。患部には包帯や固定器具はつけていなかった。米スポーツ専門局ESPNのゴンザレス記者はX(旧ツイッター)で、大谷が1日遅れでニューヨーク入りし、チームに合流する予定と伝えた。

 ポストシーズンでも負傷者が続出しているド軍。「僕たちは彼が大丈夫であることを願いつつ、目の前にある課題に集中し、次の2試合に勝つ。それが目標だ」。ロハスの言葉がチーム全体の気持ちを代弁していた。

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