ドジャース・山本 圧巻ヤ軍斬りでWS星 米メディア称賛の嵐「3億2500万ドルの男はやはり格別だった」
「ワールドシリーズ、ドジャース4-2ヤンキース」(26日、ロサンゼルス)
ドジャースの山本由伸投手(26)がヤンキース戦に先発で初登板し6回1/3を投げ、1安打4奪三振1失点で勝利投手となった。ワールドシリーズ(WS)での日本投手の勝利は、2007年の松坂大輔(レッドソックス)以来、17年ぶり2人目。さらに6回1/3は松坂を抜いて日本投手のWS最長投球回ともなった。山本は第5戦までに決着しなかった場合、第6戦に先発する可能性がある。
スタンドを埋め尽くした観衆のスタンディングオベーションと大音量の「ヨシ」コールが心に染みた。由伸が強打のヤンキース打線を相手に6回1/3をソロ本塁打のみの1失点に抑える快投。チームを2連勝に導いた86球に「すごく集中していた。高さやコースなど細かいところまでしっかり意識して投球できた」と充実の笑みを浮かべた。
七回の先頭スタントンを二飛に打ち取り、お役御免。ロバーツ監督から笑顔で握手を求められ、「少しほっとしたじゃないが、集中している状態から少しリラックスした気持ちになった」と言う。立ち上がりから全力投球。先頭トーレスの2球目にこの日最速の98マイル(約158キロ)を記録した。1-0の三回にソトに内角直球を右越えに運ばれたが、「切り替えて次の打者に向かえた」と集中力を切らさず、アウトを積み重ねた。
ア・リーグ2冠のジャッジを沈黙させた。
第1打席は低めスライダーで空振り三振に仕留め、第2打席は真っすぐで右飛に。六回2死の第3打席はスプリットで空振り三振を奪い、雄たけびを上げた。「厳しいところを狙って投げた」。相手の主砲を完璧に封じ込め、被弾後は11人連続アウトと付け入る隙を与えず、日本投手では07年の松坂以来2人目となるワールドシリーズ勝利を手にした。
投手では史上最大の12年総額3億2500万ドル(当時レートで約465億円)という超大型契約で入団し、大きな期待を集めた1年目。右肩を痛めて6月に戦線離脱も、9月に復帰するとパドレスとの地区シリーズ第5戦で5回2安打無失点の好投を演じるなど、存在感を高めてきた。この大一番での好投を受け、米メディアからは「3億2500万ドルにふさわしい投球をみせた」「3億2500万ドルの男はやはり格別だった」など称賛の声が相次いだ。
左肩を痛めた大谷に「戻ってくることを信じています」と語った由伸。球団として4年ぶりのワールドシリーズ制覇まであと2勝。公私でサポートしてもらってきた先輩とともに最高のハッピーエンドを迎えたい。
◆日本投手先発は3人目 ワールドシリーズの日本投手先発は07年のレッドソックス・松坂、17年のドジャース・ダルビッシュ以来、3人目4度目。松坂は07年10月27日のロッキーズとの第3戦に先発し、5回1/3を3安打2失点で勝利投手。ダルビッシュは17年10月27日のアストロズとの第3戦に先発して1回2/3を6安打4失点、同11月1日の第7戦にも先発し、1回2/3を5失点でともに敗戦投手となった。