強行出場の大谷翔平 実際のスイングはどう見えたのか 評論家の視点「相手投手からすればいるかいないか大きな違い」
「ワールドシリーズ、ヤンキース2-4ドジャース」(28日、ニューヨーク)
ドジャースが3連勝で2020年以来、4年ぶり8度目のワールドシリーズ制覇に王手をかけた。大谷翔平選手は左肩亜脱臼を押して強行出場。3打数ノーヒットに終わったが、得点に絡む働きを見せた。
試合後の会見で、大谷は「今は痛みも引いてきて、自分のスイングも戻ってきているかなと思います」と振り返り、打席での肩の状態については「テーピングしたりとかはしているので、いつもと違う感じはしたけど、そこまで大きくは違わなかったかな」と語った。
大谷の表情、スイングはどう見えたか。デイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「普段と変わらず、90%、100%には見えたスイングもあった。ただ、(七回の)サードのファウルフライは最後、左手を離していた。打席では集中しているだろうけど、当然、最後のところで感覚的に気になってしまうんだろうなというところも見えた」と語った。
定位置の1番・DHで5打席に立ち、四球、二ゴロ、三振、三邪飛、死球。3打数無安打に終わり、関本氏は「これがペナントレースなら大事を取ってしばらく休むんだろうが、ワールドシリーズだから出場を決めたんだろう」と、大谷の決断に触れた。
ただ、初回に四球を選んだ後、フリーマンが2ラン。結果的にこの一打が大きな流れを呼んだ。
関本氏はヤンキースの投手目線で解説。「万全とはいえない状態だが、相手からすれば大谷がいるかいないかで大きな違い。初回先頭でいきなり50何本もホームランを打った選手が出てくるのだから。振れるのか振れないのか分からない状態でも、ヤンキースの投手は初回から警戒心が見えたよな。その後に2ランが出たんだから、今日はノーヒットでも十分に貢献している」と、存在感の大きさを口にした。
一気の3連勝で、悲願のワールドシリーズ制覇に王手をかけた。すでにロバーツ監督は第4戦、大谷の出場を明言している。関本氏は「ちょっと間違えば飛んでいきそうなスイングもあり、投手からすれば怖いのは間違いない。本人のダメージがどうかだが、痛みが増さないのであればテーピングをしている状態にも慣れるはず。今日以上に期待できるのではないか」と、語った。