大谷翔平 左肩負傷後初13打席ぶり快音!11失点大敗で世界一お預け “変型ヒップロック”もロバーツ監督「支障ない」

 ヤンキース戦でベンチから試合を見つめる大谷(右)=提供・共同通信社
 5回、中前打を放つ大谷(共同)
 ヤンキースに敗れ、引き揚げる大谷(中央)らドジャースナイン(共同)
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 「ワールドシリーズ、ヤンキース11-4ドジャース」(29日、ニューヨーク)

 大谷翔平選手(30)と山本由伸投手(26)が所属するドジャースは敵地ニューヨークで行われたヤンキースとのワールドシリーズ(7回戦制)第4戦で大敗し、4連勝での世界一はならなかった。左肩のけがを押して出場している大谷は五回に13打席ぶりの安打を放つなど打撃は良化傾向。球団4年ぶり8度目のワールドチャンピオンを目指して第5戦に臨む。

 3試合ぶりのダンス。一塁に達した大谷が歓声を上げる三塁側ベンチに向かって左手を上げない“変型ヒップロック”で腰をひねって喜びを表現した。

 復活の快音は2点を追う五回無死一塁。変則左腕ヒルの初球、143キロの内寄りシンカーをライナー性の打球で中前へはじき返した。第1戦の八回に右越え二塁打を放って以来、3戦13打席ぶりの安打で好機拡大。後続の内野ゴロによる1得点をお膳立てした。

 26日の第2戦の走塁で左肩を負傷。「亜脱臼」と診断された。調整日を挟んで行われた前日の第3戦は痛み止めの注射を打ち、テーピングで固定して出場。5打席に立ったが、スイングやファウルの時に顔をしかめ、球威に押されたような打球で凡打を繰り返した。

 しかし、この日は三回に飛距離116メートルの打球を左中間方向へ飛ばした。ジャッジのランニングキャッチに阻まれたが、打球の質は確実に向上。ロバーツ監督は「彼には何度も聞いているが、支障はない。彼も感じないと言っている」と良化傾向にあることを明言した。

 前日は打席以外では左手でユニホームの胸部分を握り続けていたが、この日は凡退後に両腕を振ってベンチへ帰還。五回に出塁した際には癖になっていた左手を地面につかないようにして二塁へ滑り込み。指揮官も「今のところ問題ないと思う」と安どの表情を見せた。

 優勝に王手をかけた初回にフリーマンの先制2ランで好スタートを切ったが、ブルペンゲームが機能せず、シリーズ初黒星を喫した。

 大谷は2点を追う七回1死二塁で空振り三振。外角低めのボールになるスプリットにバットが止まらなかった。指揮官は「四球にできる重要な打席がいくつかあった。ボール球を追いかけるのは良くない」と指摘した。

 第5戦の相手先発は昨季サイ・ヤング賞のコール。指揮官の注文は期待の表れ。あと1勝。大谷が力強い打球で流れを呼び込み、チームを勢いづける。

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