悪夢逆転負けのヤンキース NYメディア酷評「悲痛な幕引き」ジャッジ落球などの守備を冷笑「エラーだらけの喜劇」ジャッジは悲痛「仕事やり遂げられず」
「ワールドシリーズ、ヤンキース6-7ドジャース」(30日、ニューヨーク)
ヤンキースが悲劇の大逆転負けで敗れ、通算1勝4敗で2009年以来15年ぶりのワールドシリーズ制覇はならなかった。
五回にジャッジのまさかの落球などから5点リードを振りだしに戻された。ニューヨークメディアは辛らつにつづり、「ニューヨークポスト」は「間違い(エラー)だらけの喜劇」と題して五回を振り返り、敗戦を「悲痛な幕引きだった」と断じた。
試合は初回に今シリーズ不振にあえいでいたジャッジが7戦ぶり、ワールドシリーズでは初の本塁打となる先制2ランを放った。ドジャース先発のフラーティの初球をとらえると、打球は右中間へ。ジャッジは確信したように歩き出し、外野もほとんど動かない一発に、ヤンキーススタジアムのファンは総立ちで大歓声を送った。飛距離は123メートル。本塁打は17日のガーディアンズとのリーグ優勝決定シリーズ第3戦以来7戦ぶりで、ポストシーズン3本目だった。続く4番のチザムにも2者連続弾が飛びだし、初回に3点を先制すると、二回にも1点を加え、三回にはスタントンにシリーズ2本目の本塁打が飛びだし、3、4、5番のクリーンアップ本塁打そろい踏みなどで、5点のリードを奪った。
完全に流れをつかんでいたかと思われたヤンキースだったが、守備の乱れから同点に追いつかれた。5点リードの五回、ここまで好投を続けてきたエースのコールが先頭打者のK・ヘルナンデスに初ヒットを許すと、続くエドマンの打球を中堅・ジャッジがまさかの落球。さらに無死一、二塁で続くスミスの遊ゴロの三塁送球が野選となり、満塁となった。大谷を空振り三振に打ち取り、2死としたが、続くベッツの一ゴロでコールがベースカバーに入らず、適時内野安打にしてしまうと、続くフリーマンが中前打でさらに2点を失った。そしてT・ヘルナンデスがセンターオーバーの2点適時二塁打を許し、一気に同点に追いつかれた。まさかの大暗転に、マウンド上でコールは呆然。球場も騒然となった。
六回にスタントンの犠飛で勝ち越したが、嫌な流れは変わりきらず、八回に無死満塁のピンチを招くと、4番手ウィーバーがラックス、ベッツに犠飛を浴びて、2点を奪われて逆転を許した。
試合終了の瞬間、ベンチでジャッジらは呆然とした表情を浮かべた。米メディア「ニューヨーク・ポスト」によると、ジャッジは試合後「我々は仕事をやり遂げられなかった。2、3のミスが我々を苦しめた」と悲痛な表情で語った。