大谷翔平1日で3冠 史上初両リーグで「ハンク・アーロン賞」を2年連続 式典はVTR登場
米大リーグ機構(MLB)主催の「MLBアワード」が14日、ネバダ州ラスベガスで行われ、ドジャースの大谷翔平選手(30)が、傑出した打者に贈られる「ハンク・アーロン賞」を2年連続で受賞した。両リーグでの選出は史上初のこと。また「エドガー・マルティネス賞」と、オールMLBチームの指名打者部門で「ファーストチーム」にも選出。1日で“3冠”となり、VTR出演では喜びを口にした。
やはり、オフに入っても大谷は主役の一人だ。圧倒的な成績を残した今季の活躍を思えば、この日の“3冠”も順当と言える結果だ。オフに入ってから左肩を手術した中、この日の式典には参加しなかったもののVTRで登場した。
WBCを制した侍ジャパン、日本で所属した日本ハム、そして中央にドジャースのユニホームが飾られた部屋からのメッセージ。「ありがとうございます。ハンク・アーロンさんにちなんで名付けられたこの賞を受賞できてとても光栄に思います。投票してくれたファンの皆さま、関係者の方に心から感謝します。2025年にお会いしましょう」と感謝の思いを明かした。
「ハンク・アーロン賞」の受賞は、ア・リーグのエンゼルス時代の昨季に続き2度目で、両リーグでの選出は史上初の快挙だ。さらに「エドガー・マルティネス賞」は4度目の受賞。オールMLBチームの指名打者部門では「ファーストチーム」に入り、先発投手で選ばれたことを含めると4年連続の選出となった。
大谷は今季、昨年9月に受けた右肘手術のため打者に専念。リーグ最多の54本塁打、130打点で初めて2冠を獲得。打率・310、59盗塁はいずれもリーグ2位の数字で、史上初の「50-50」、日本選手初のトリプルスリーを達成。歴史的なシーズンにふさわしい受賞ラッシュだ。
現地時間21日にはMVPの発表が控えている。自身2年連続3度目、そしてDH専任ではメジャー史上初の受賞は確実な情勢。満票受賞となるかにも注目が集まる中、両リーグでの受賞は66年にオリオールズで選出されたフランク・ロビンソンだけであり、大谷が受賞すれば58年ぶり史上2人目の快挙となる。
◆ハンク・アーロン賞 当時の通算最多記録だったベーブ・ルースの714本塁打をアーロンが更新して25年を記念し、1999年に創設。レギュラーシーズンの打撃成績を基に、大リーグ公式サイトの記者がアメリカン、ナショナル各リーグ10人に絞り、ファン投票を実施。米野球殿堂入りした元選手の選考も加味される。
◆エドガー・マルティネス賞 最も活躍した指名打者(DH)に贈られる賞で、1973年に創設。マリナーズで主にDHとして活躍したエドガー・マルティネスが引退した2004年に、功績をたたえて名称が変更された。最多受賞はレッドソックスなどで活躍したデービッド・オルティスの8度。報道関係者や各球団広報の投票で決まる。
◆オールMLBチーム 2019年に創設された表彰で、ファンと専門家の投票でアメリカン、ナショナル両リーグの区別なくファースト、セカンドチームを選出。各チームは先発投手5人、救援投手2人、捕手、内野手、指名打者は1人ずつ、外野手は3人で構成。日本勢ではダルビッシュ(パドレス)もカブス在籍時の20年にファーストチームに選ばれた。