大谷翔平 史上初DH&3度目満票MVP!58年ぶり両リーグ栄冠 来季「もちろん、スタートから」二刀流でサイ・ヤング賞
米大リーグで史上初めて「50本塁打、50盗塁」を達成したドジャースの大谷翔平選手(30)が21日、ナ・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれた。エンゼルス時代のア・リーグで獲得した2021、23年に続き満票での受賞。3度目の選出は歴代2位に並び、両リーグでの受賞は1966年以来58年ぶり2人目となった。MVP発表番組にリモート出演した大谷は真美子夫人(27)、愛犬デコピンととも喜びに浸り、来季の二刀流復活へ決意を示した。
周囲からの祝福の言葉と大きな拍手。真美子夫人、愛犬デコピンと並んでソファに座っていた大谷が戸惑いの表情を見せながら小声で言った。
「やばっ、全然聞いてなかった…」
大リーグ専門局MLBネットワークのMVP発表番組。リモート出演した大谷は、プレゼンターを務めたチームメートのカーショーが読み上げた名前を聞き逃したのか、一瞬、フリーズした。その直後に愛犬が“逃走”するハプニング。まさかの展開に笑顔の夫婦は顔を見合わせると、右こぶしでグータッチを交わし、喜びを分かち合った。
全米15支部から2人ずつ、計30人の記者による投票。大谷はすべての1位票を独占した。史上初となる3度目の満票選出。過去2回は投手と打者、二刀流の成績を評価されたものだったが、今季は昨年9月の右肘手術のリハビリのために打者に専念。DH専任で54本塁打と130打点で2冠に輝き、打率・310、59盗塁と合わせた史上初の「50-50」、さらには日本選手初のトリプルスリーを成し遂げた。
1973年に誕生したDHは守備のポイントがないため、MVPレースでは不利とされる定説を覆す初の快挙。大谷は「投球もして、オフェンスでも出続けてというのがやりたいこと、自分の仕事」と二刀流のプライドを口にしながらも「素直にうれしい。今後の励みになる。来年以降も頑張りたい気持ちにさせてもらった」と言った。
移籍1年目で圧巻の活躍を見せ、チームの3年連続地区優勝、チーム4年ぶりの世界一に貢献した。しかし、大谷は「ドジャースの一員として、代表してもらったと思っている。みんなでつかみ取ったもの」と同僚や首脳陣のサポートに感謝。MVPとチャンピオントロフィーの両獲りを「特別」「満点に近い結果」と表現した。
ワールドシリーズ第2戦の走塁で脱臼した左肩を5日に手術した。「抜糸も終わって、ついさっきから体幹、下半身のトレーニングがスタートした」。来季は3月18日に東京で開幕戦を迎える。投手復帰は不透明な状態だが、「もちろん、スタート(開幕)から投げる、打つということを目標に動いている」と大谷。次なる目標は日本投手初の「サイ・ヤング賞」受賞だ。二刀流復活に並々ならぬ意欲を見せた。