エ軍GMが菊池雄星獲得の理由を説明「本当に気に入った」 3年95億円契約正式発表 年平均32億円は球団史上最高
エンゼルスは27日(日本時間28日)、アストロズからFAになった菊池雄星投手と3年6300万ドル(約95億円)の契約で合意したと正式発表。ペリー・ミナシアンGMがオンライン取材に応じ、ブルージェイズとアストロズで先発の柱としてさらなる飛躍を遂げた左腕を獲得した理由を説明した。
メジャー6年目だった今季の菊池は、ブルージェイズとアストロズでプレーし、自己最多タイの32先発、9勝10敗、防御率4・05。175回2/3投球イニング、206奪三振はいずれも自己最多だった。特に7月に移籍したアストロズでは10先発で5勝1敗、防御率2・70と安定した投球を披露し、評価を高めた。
ミナシアンGMは菊池について「トレード前から我々が見てきたものを本当に気に入っていた」とし、自己ベストを更新した奪三振数と与四球数を一例に挙げ、「シーズンを通して質の高い投球だった」と話した。さらに「ストライクを取ること」と「耐久性」を重要視したことを強調し、「これら2つのことはチームにとって本当に必要なものだった」と菊池獲得に動いた理由を説明した。
今回合意した3年6200万ドルの契約は、エンゼルス歴代投手の中ではCJ・ウィルソン投手の5年7750万ドル(約118億円)に次いで2番目の規模。選手の評価の指標となる1年平均の金額2100万ドル(約32億円)は二刀流の大谷翔平投手を除き、ノア・シンダーガード投手と並ぶ史上最高額となっており、球団の菊池への期待度の高さを表している。
菊池は18年オフに西武からポスティングシステムを使ってマリナーズと3年4300万ドル(約66億2000万円)で合意。21年オフに4年目の選手オプションを破棄してFAになり、ブルージェイズと3年3600万ドル(約55億4000万円)の契約を結んだ。メジャー通算成績は166登板(154先発)、41勝47敗、防御率4・57。
新天地となるエンゼルスは昨オフに投打の柱だった大谷翔平選手(現ドジャース)をFAで失うなどして、今季は球団史上最多の99敗を喫し、25年ぶりの地区最下位に低迷する屈辱的なシーズンを送った。
オフに入ってブレーブスとのトレードで先発のグリフィン・キャニング投手を放出し、19年本塁打王のホルヘ・ソレアを獲得して指名打者を強化。さらに、正捕手オホッピーの指導役としてブレーブスからFAになったメジャー12年のベテラン捕手、トラビス・ダーノーと2年1200万ドル(約18億5000万円)の契約を結び、カブスからFAになった通算97勝の先発右腕カイル・ヘンドリクス投手と1年250万ドル(約3億8000万円)で合意するなど、実績あるベテラン選手を積極的に補強している。
エンゼルスの先発陣は今季チーム最多の10勝を挙げた34歳のタイラー・アンダーソン、復調が期待されるリード・デトマーズ両左腕のほか、リリーフから転向1年目で6勝を挙げたホセ・ソリアーノ、ともに有望株の20歳ケイデン・デイナ、23歳ジャック・コハノウッツらがいる。チームは6月のドジャース戦で左肘を負傷し、靭帯の再建手術を受けたパトリック・サンドバルをノンテンダー(来季契約提示せず)にしたばかりだった。